2012年12月アーカイブ

遙か群衆を離れて01 遙か群衆を離れて02


『テス』のT・ハーディの大河ロマンを、「ドクトル・ジバゴ」のクリスティの主演で映画化した、英国エセックスのロケ効果も美しい、女の運命のサーガ。伯父から受け継いだ農場を切り盛りしている若き女主人バスシーバは、羊飼いのゲイブリエル(ベイツ)から求婚されるが、それを断り、女中の恋人だった軍曹トロイ(スタンプ)と結婚する。が、既に彼の子を孕んでいた女中が赤ん坊を生むと同時に死んで、ショックを受けたトロイは土地を去っていった。やがて、隣人のボールウッドが熱心にバスシーバに求婚。彼女もそれにほだされるが、その披露宴の夜にトロイが帰ってきて、ボールウッドに撃ち殺されてしまう。そして新郎は獄につながれ、トロイの墓に参る彼女の前に現われた真実の相手はゲイブリエルだった。典型的メロドラマを、シュレシンジャー演出は骨太かつ丁寧に組み立てて見応えのあるものにしている。こういう役は十八番のクリスティの熱演も光っていた。

花嫁の父01 花嫁の父02


P・ボグダノヴィッチの「ラスト・ショー」で、舞台となる町の映画館で「赤い河」の前に、つまり、閉館の前の週にかかっていいた映画。ジェフ・ブリッジスと共にこの美しい芳紀18歳のリズの花嫁姿を見て、GFのシビル・シェパードが嘆息をつくのだった。一人娘を嫁に出す父は悲喜こもごもの心境に浸って、結婚式に向け、ひたすら事務的にテキパキ準備を進める妻(J・べネット好演)にぐうたら呼ばわれもするが、それが男親ってもんじゃないでしょうか……と渋さも絶品のトレイシーが語りかける。リズのお相手を務める、どうってことない二枚目は後に監督になるD・テイラー。当時の野郎どもはさぞやっかんだことだろう。アメリカ映画が黄金期の最後の光芒を放っていた頃を象徴する作品の一つとして、先の引用はなされたのだが、ここに描かれる中流やや上の価値観もこの後、馴染みの薄いものとなってしまった(それが監督ミネリのテイストでもあった)。かなりの成功を納め、続編「可愛い配当」も作られた。91年に「花嫁のパパ」としてリメイク。

バロン01 バロン02


『ほら男爵の冒険』として知られる、ミュンヒハウゼン男爵の奇想天外な活躍を描いたファンタジー。T・ギリアム、E・アイドルといった“モンティ・パイソン”シリーズの面々が、シュールなギャグに乗せておくる。中世のドイツ、少女にせがまれた男爵が、襲い来るトルコ軍を撃退するために、昔の仲間を探しに旅立つ……。あまりに巨額の製作費の為、ギリアム作品としては「未来世紀ブラジル」に続いて興行的に大失敗に終わった作品だが、そのユニークな絵造りと面白さは稀有なものだ。美しい映像の中、繰り広げられる奇想天外の様々な冒険。月への冒険や、巨大な貝殻の中から出て来たユマ・サーマン扮する美しい姫との幻想的なロマンスなど見どころは満載。韋駄天、怪力、千里眼に耳の秀れた小人など、家来たちも個性いっぱいでひたすら楽しい。派手なスペクタクルも描かれ豪華さが最後まで絶えない最上の夢物語を作り上げている。

パリの恋人01 パリの恋人02


オードリーの歌は、結構、雰囲気で聴かせるものがある。「マイ・フェア・レディ」のような純然たるブロードウェイ・ミュージカルの映画化ならいざ知らず、こういった小唄映画ならば充分通用する。そして、アステアに負けじと、元バレリーナの特技を活かしてダンシング。黒づくめのモダン・バレエ風のナンバー、“基本的共感主義”が特にいい。物語は、ファッション雑誌の撮影に乗り込まれた古本屋のオードリーが、カメラマンのアステアにスカウトされトップモデルとなる。現代思想にかぶれた彼女は、途中で自らの実存の虚しさに気づき、行方をくらましたりもするが、最後にはハッピーエンドを迎える、というもの。撮影でウェディング・ドレスを着て、感きわまって泣き出してしまう姿が可憐だ。撮影コンサルタントに、ファッション・フォトの第一人者R・アヴェドンを迎え、その写真がコラージュされた画面は、映画にテンポを生んでいる。女性への褒め言葉に“ファニー・フェイス”が使われ出したのも、この映画からではないだろうか。無論、自分の容貌を気にするオードリーに、アステアが“君はユニーク”と賞賛してそう呼ぶのだ。とにかくカラフルな作品である。

パピヨン01 パピヨン02


胸に蝶のイレズミをしている所から“パピヨン”というあだ名で呼ばれている主人公が、無実の罪で投獄され、13年間にも及ぶ刑務所生活を強いられながら、自由を求め執拗に脱獄を繰り返し、ついに成功するまでを描いてゆく。マックィーン&ホフマンの名演技はもちろん、脱獄囚が書いた実録小説が原作となっているだけあって、実に見応えのある作品に仕上がっている。生への執着をここまで鮮烈に描いた作品はそうそうあるものではないが、重苦しさばかりでなくエンタテインメントとしての充足感、そしてカタルシスを持ち合わせている所が凄い。

バイキング01 バイキング02


50年代末に登場した大型画面の歴史活劇の表の最高作が、同じダグラス製作・主演の「スパルタカス」だとすれば、裏のそれはこの作品に違いあるまい。8~9世紀ヨーロッパの海を荒しまわったヴァイキングは海神オディーンを尊び、戦いに生き、死ぬことを誇りとする北方の民族だった。中でも悪名高きラグナー(ボーグナイン)は英国王の命を奪い、その妃を犯した。王位は従弟アイエラが継ぎ、妃は密かにラグナーとの子を生み落とし、王権のせいせい象徴たる王剣の柄石を持たせイタリアに流した。めぐり巡って、その子エリック(カーティス)はそれと知らず父ラグナーの奴隷となって、異母兄であるエイナー(ダグラス)の虐待に反抗、狩り用の鷹で彼の片目を傷つける。が、処刑間際を、ラグナーの内通者だった逃亡の身の英国高官エグバート卿と女占師に助けられ、エイナーの虜囚となっていた英国王妃モーガナ(リー)と共に母国へ向け舟を漕ぎ出す。彼の手には魚の形をした磁石があるが、追うラグナーにはない。舵を誤って岩壁に激突、船は大破してラグナーは海に呑まれるが、エリックらに救われた所を、英軍に捕まる。ラグナーは即刻、狼の群れに放り込まれる処刑を受け、実子の渡した剣を手に、堂々と死んでいき、エリックは王にその左手を切り落とされた。英国への恨みを抱いてエイナーの元へ戻ったエリックは協力して王を討つことを提言。彼らは共に英軍城砦へと攻め入る(城壁をよじ登るダグラスの逞しき力演!)。王を倒したエイナーだったが、モーガナに、エリックと兄弟である真実を告げられてなお、彼女をめぐって合い争って、しかし、いざという時ひるんでしまい、逆に弟に刺されて死ぬ。この本物の砦の上での高度感たっぷりの格闘は大迫力で、TV画面でも存分に楽しめるだろう。撮影はJ・カーディフでその色彩は見事の一言。フライシャー演出はダイナミックかつ風格も充分で、とにかく大満足の一本である。

鉄道員01 鉄道員02


第2次世界大戦後のイタリアに生きる庶民の人生の歓びや哀しみを、ある一人の初老の鉄道機関士の姿を通して描いた、映画史に残る感動作。50歳のクリスマスを迎えたイタリアの鉄道機関士アンドレア・マルコッチは、末っ子のサンドロから英雄のように慕われていたが、長女のジュリアと長男のマルチェロからは、その厳格さや律儀で一徹な態度から敬遠されていた。しかしそんな彼らもやさしく献身的な母サーラがいるおかげで毎日平穏に暮らしていた。そんなある日、娘の流産や息子の不良化に気を病んでいたアンドレアが列車を運転していた所、彼の前に一人の若者が身を投げた。急いでブレーキをかけたアンドレアだったが、間に合わずにその青年を轢いてしまう……。いたいけな少年サンドロの純真な眼を通して、親子の愛情や夫婦の愛、そしてイタリアの地に生きる庶民たちの喜怒哀楽を、全編に流れる温かい人間愛で描いた映画史に残る名編。

弾丸を噛め01 弾丸を噛め02


G・ハックマン、C・バーゲン、J・コバーンといったスター共演が実現した異色西部劇。今世紀初頭の、馬による西部横断レースを題材に、その苛酷な試練に参加した人々の人間模様を重厚に描いている。熱さと渇きに耐えかね、馬までもが全身から塩を噴出させて過労死するというシーンを始め、大自然の厳しさにさらされつつも賞金を求めて荒野を彷徨する人々の執念が活写されている。「暴力教室」、「熱いトタン屋根の猫」、そして「ミスター・グッドバーを探して」といった力作で知られるR・ブルックスが、製作・監督・脚本を担当しているだけに、彼の持ち味である骨太な描写が随所に見られ、観ている方が思わず拳を握り締めてしまう力強い映画に仕上がった。

大列車強盗01 大列車強盗02


死んだ夫が列車強盗で奪った金を返したいと、美しい未亡人から頼まれたレインは、仲間と共に隠された金の捜索に出発した。一方、彼女の夫の仲間たちもまた、その金をめざしてレインたちに襲いかかる。そして、その二つの勢力を見守る謎の男。やがて、強盗たちを蹴散らしたレインたち一行は、砂漠の中で金を発見するが……。B・ケネディの持ち味が活かされた、J・ウェイン主演のコミカルなアクション西部劇。

大空港01 大空港02


ローマ行きの旅客機内に、爆弾が持ち込まれているという通報が入った。機長と主任スチュワーデスは、爆弾の入ったアタッシュ・ケースを確保しようとするが、犯人は爆弾もろとも自殺してしまう。そしてその衝撃で、旅客機の胴体に亀裂が入り、空中分解の危機が訪れる。急遽、旅客機はケネディ空港へ向けて転回するが、空港は猛吹雪のため一切の機能を停止していた……。未曾有の危機をサスペンス豊かに描いた航空パニックの傑作。大惨事を防ごうと努力する人々の描写(プロフェッショナル!)もさることながら、爆死によって保険金を得ようとするV・ヘフリンの描写もいい。本作から派生した“本物の”エアポート・シリーズは「エアポート'75」「エアポート'77/バミューダからの脱出」「エアポート'80」と続く。

太陽がいっぱい01 太陽がいっぱい02


貧しい青年トムが、富豪の友人フィリップを殺害した。そして、彼に成り済まして財産を奪おうとする。身分証の偽造や筆跡の練習、トムの緻密な計画は完璧に見えたが……。冷徹な青年にA・ドロンが扮する、サスペンスに満ちたミステリ劇。原作はP・ハイスミス。

デンジャラス・デイズ/メイキング・オブ・ブレードランナー01 デンジャラス・デイズ/メイキング・オブ・ブレードランナー02


JFK

天使にラブ・ソングを2

荒野のガンマン

花のあと(日本)

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花のあと

マトリックス レボリューションズ

センターステージ

ガン・ファイター

ウィンチェスター銃'73

アビス 完全版

X-MEN

遙かなる山の呼び声

野性の証明01

天使にラブ・ソングを

昭和残侠伝 唐獅子牡丹

街の灯

モダン・タイムス

めぐり逢えたら

チャップリンの独裁者

チャップリンの黄金狂時代

幸福の黄色いハンカチ

居酒屋兆治

駅 STATION

ザ・シークレット・サービス

バックドラフト

ネバーエンディング・ストーリー01 ネバーエンディング・ストーリー02


「U・ボート」のW・ペーターゼン監督が多額の製作費をかけ、ミヒャエル・エンデの原作を映画化したファンタジー大作。いじめられっ子の少年バスチアンが古本屋で手にした一冊の本。それは空想の国を舞台にした冒険物語だったが、いつしか不思議な力に導かれバスチアンは本の中の世界に入っていった……。アメリカ製では味わえない素朴なSFXや実物大のクリーチャーなどが印象的で、犬の顔をした竜ファルコンはその中でもスター性を持ったキャラクターだった。現実と空想世界、ふたりの主人公に扮したB・オリヴァーとN・ハザウェイも好演、お姫様役のT・ストロナッハも愛らしい。好評につきシリーズ化されたが、原作あるいは第1作の持ち味を活かした続編は造られていない。

ナイアガラ01 ナイアガラ02


M・モンローを神話的スターの域に至らしめたH・ハサウェイのよきB級ムード横溢するサスペンス映画。少なくとも鐘楼上の殺人の場面までは一気に見させられるし、ナイアガラ・ロケも圧巻で、すっかり観光気分を味わせてくれる。会社の慰安に遅い新婚旅行を兼ねて瀑布を訪れた若い夫婦。本来泊まるはずのロッジには、別の夫婦客がいた。夫(J・コットン)は気分が悪くて寝ている、と告げた妻モンローは買物に出かけたはずなのに、滝での愛人との逢引きを新婚夫婦に目撃される。コットンはモンローの密通に薄々勘づいており、その夜衆人の前で感情を爆発させ、翌日行方をくらます。が、それは愛人と妻の仕組んだ殺人。だが、若夫婦の妻(J・ピータース)の前に姿を現わすコットン。彼はピータースに真相を告白する。滝壷に落ちたのは愛人の方だった、と。彼女の制止も聞き入れず、女房に復讐しようと町の観光名所である塔に追い込み、スカーフで絞め殺してしまう。そこからは少々バカげた展開で、映画的なスリルはまるで盛り上がらない。そこにハサウェイの限界があるようにも思える。製作・脚本は“悪女モノ”好きのC・ブラケット。マリリンが愛唱歌の『キス』を口ずさむシーン、最高である。

狐の呉れた赤ん坊01 狐の呉れた赤ん坊02


戦後時代劇の幕開けを飾った、丸根賛太郎監督の傑作。「無法松の一生」やチャップリン映画「キッド」などに通じる人情喜劇で、阪東妻三郎の軽妙な演技が楽しめる彼の戦後の第一作。けんかと酒が好きな大井川の川越え人足・張子の寅が、きつね退治に乗り出した街道筋で赤ん坊を拾い育てるはめになる。善太と名づけたその子を必死で育てるうちに実の親子のような絆ができるが、7歳に成長したとき、善太の本当の親がわかる。

鉄道員01 鉄道員02


第2次世界大戦後のイタリアに生きる庶民の人生の歓びや哀しみを、ある一人の初老の鉄道機関士の姿を通して描いた、映画史に残る感動作。50歳のクリスマスを迎えたイタリアの鉄道機関士アンドレア・マルコッチは、末っ子のサンドロから英雄のように慕われていたが、長女のジュリアと長男のマルチェロからは、その厳格さや律儀で一徹な態度から敬遠されていた。しかしそんな彼らもやさしく献身的な母サーラがいるおかげで毎日平穏に暮らしていた。そんなある日、娘の流産や息子の不良化に気を病んでいたアンドレアが列車を運転していた所、彼の前に一人の若者が身を投げた。急いでブレーキをかけたアンドレアだったが、間に合わずにその青年を轢いてしまう......。いたいけな少年サンドロの純真な眼を通して、親子の愛情や夫婦の愛、そしてイタリアの地に生きる庶民たちの喜怒哀楽を、全編に流れる温かい人間愛で描いた映画史に残る名編。

弾丸を噛め01 弾丸を噛め02


G・ハックマン、C・バーゲン、J・コバーンといったスター共演が実現した異色西部劇。今世紀初頭の、馬による西部横断レースを題材に、その苛酷な試練に参加した人々の人間模様を重厚に描いている。熱さと渇きに耐えかね、馬までもが全身から塩を噴出させて過労死するというシーンを始め、大自然の厳しさにさらされつつも賞金を求めて荒野を彷徨する人々の執念が活写されている。「暴力教室」、「熱いトタン屋根の猫」、そして「ミスター・グッドバーを探して」といった力作で知られるR・ブルックスが、製作・監督・脚本を担当しているだけに、彼の持ち味である骨太な描写が随所に見られ、観ている方が思わず拳を握り締めてしまう力強い映画に仕上がった。

誰が為に鐘は鳴る01 誰が為に鐘は鳴る02


スペイン動乱を舞台に、ゲリラ活動に参加したアメリカ人の心情を描いた悲恋ドラマ。政府の軍事輸送を阻止するため、鉄橋の爆破計画が練られた。作戦に参加したアメリカ人ロバートは、ジプシーのゲリラに協力を求める。そこでロバートは、美しい娘マリアと出会い、二人は激しく惹かれ合うが......。E・ヘミングウェイの同名小説を映画化。スペクタクルとロマンス--映画の魅力が最大限に発揮された傑作。クーパーは凛々しく、バーグマンは美しい。98年に35分を追加したビデオ「デジタル・ニューマスター特別復元版」がリリースされた。

大列車強盗01 大列車強盗02


死んだ夫が列車強盗で奪った金を返したいと、美しい未亡人から頼まれたレインは、仲間と共に隠された金の捜索に出発した。一方、彼女の夫の仲間たちもまた、その金をめざしてレインたちに襲いかかる。そして、その二つの勢力を見守る謎の男。やがて、強盗たちを蹴散らしたレインたち一行は、砂漠の中で金を発見するが……。B・ケネディの持ち味が活かされた、J・ウェイン主演のコミカルなアクション西部劇。

大空港01 大空港02


ローマ行きの旅客機内に、爆弾が持ち込まれているという通報が入った。機長と主任スチュワーデスは、爆弾の入ったアタッシュ・ケースを確保しようとするが、犯人は爆弾もろとも自殺してしまう。そしてその衝撃で、旅客機の胴体に亀裂が入り、空中分解の危機が訪れる。急遽、旅客機はケネディ空港へ向けて転回するが、空港は猛吹雪のため一切の機能を停止していた……。未曾有の危機をサスペンス豊かに描いた航空パニックの傑作。大惨事を防ごうと努力する人々の描写(プロフェッショナル!)もさることながら、爆死によって保険金を得ようとするV・ヘフリンの描写もいい。本作から派生した“本物の”エアポート・シリーズは「エアポート'75」「エアポート'77/バミューダからの脱出」「エアポート'80」と続く。

太陽がいっぱい01 太陽がいっぱい02


貧しい青年トムが、富豪の友人フィリップを殺害した。そして、彼に成り済まして財産を奪おうとする。身分証の偽造や筆跡の練習、トムの緻密な計画は完璧に見えたが……。冷徹な青年にA・ドロンが扮する、サスペンスに満ちたミステリ劇。原作はP・ハイスミス。

捜索者01 捜索者02


コマンチ族に弟一家を殺され、二人の姪をさらわれた男イーサン。以来、彼はコマンチ族に対して憎悪を燃やす復讐鬼となった。そして、さらわれた姪たちを求めて、彼は何年も捜索を続けていたのだった。だがやっと探し当てた姪のデビーは、インディアンの言葉を操り、イーサンから逃れようとする。完全なコマンチ族となってしまったデビーに、イーサンは銃を向けるが……。J・フォード&J・ウェインのコンビによる、一人の男の復讐を描いた傑作ウェスタン。

素晴らしき哉、人生!(01 素晴らしき哉、人生!02


主人公のジョージという男は、いつも何処かでツキに見放され、逆境にばかり立ち向かう運命にあった。自分のミスではなく大金を失った彼は、全てに絶望して自殺を図る。ところが、12月の冷たい河に飛び降りようとしたとき、彼より先に一人の男が身を投げて救けてくれと叫んだ。あわてて救けたジョージに、男は、自分は見習い天使だと告げるが……。映画はまず、挫折つづきのジョージの人生を語る。この、希望が幾度となく打ち砕かれるエピソードの積み重ねには、ジョージばかりではなく観る側も、その理不尽さに怒りを感じずにはいられないだろう。そして、天使の案内する“もし彼が生きていなかったら”という仮定の世界で、彼は自分の存在理由をかいま見る事になる。果たして彼は自殺を思いとどまる充分な理由を見つけることが出来るのか、という部分がこの作品の要になるのだが、安易なハッピー・エンドに逃げていないのはF・キャプラの理想主義の賜物である。

紳士は金髪がお好き01 紳士は金髪がお好き02


原作者A・ルースが49年にブロードウェイ用に書いた戯曲をC・リデラーが脚色、男性派アクションだけでなくコメディ映画でも手腕を発揮するH・ホークスがメガホンを取ったミュージカル・コメディ。ニューヨークからパリへと渡る二人のダンサー。金髪のローレライ(モンロー)は“金”、黒髪のドロシー(ラッセル)は“男”が目的だ。だがフランスへ向かう客船の中で紳士から貰った髪飾りが、パリについた二人を騒動に巻き込む事になった……。とにかく、モンロー&ラッセルに尽きる。甘えん坊で頼りなくちょっとオツムの弱い感じがするモンローと、鉄火肌で野性味溢れるラッセルの、全くタイプの異なるセクシーさが良い。ミュージカルとしては歌曲シーンに今一つ優れているものが感じられないが、それもこれも二人の魅力でカバーされていると言ってよいだろう。この後、ラッセル主演で姉妹編的作品「紳士はブルーネット娘と結婚する」も作られた。

デンジャラス・デイズ/メイキング・オブ・ブレードランナー01 デンジャラス・デイズ/メイキング・オブ・ブレードランナー02


【関連作品】

ブレードランナー(1982)

ディレクターズカット/ブレードランナー 最終版(1992)

ブレードランナー ファイナル・カット(2007)

デンジャラス・デイズ/メイキング・オブ・ブレードランナー(2007)


テキサスの五人の仲間01 テキサスの五人の仲間02


テキサスの金持ち連中五人が集まって、ポーカーの大勝負が行われる。そこへ、ポーカー好きの男がやってきて、勝負に加えて欲しいと頼み込む。しかし、男は瞬く間に金をスッてしまい、男の妻が代わって挑むことになるが……。ポーカー勝負を軸に、軽妙に展開するコメディ・ウェスタン

チャイナ・シンドローム01 チャイナ・シンドローム02


70年代後半に人気を誇ったTVシリーズのリメイク作品。姿を見せないボス、チャーリーの探偵事務所で働くのは、ディラン、ナタリー、アレックスの美女3人。今回彼女たちに下された指令は、誘拐されたノックス・テクノロジー社の創立者ノックス・ノックスを救出するというもの。彼が開発中の"音声認識ソフト"が悪用されれば世界中が大混乱となるだろう。エンジェルたちは巨大企業オーナーでノックスのライバルであるコーウィンが犯人と見て危険な潜入捜査を決行する。

チャイナ・シンドローム01 チャイナ・シンドローム02


全米公開直後の1979年3月、スリーマイル島原子力発電所で事故が起こり、これ以上ないほどの迫真性を観る者に与えた。原発を取材中のTVキャスター、キンバリー(フォンダ)とそのクルー(ダグラス、バルデス)は偶然、事故の現場に立ち会うが、上からの圧力によってそのニュースはNGとなる。そして調査の後、運転を再開した発電所では技師ジャック・ゴデル(レモン)が原発の欠陥を発見していた。その事を知ったキンバリーは彼の協力を得て、この事件を世間に公表しようとするのだが......。原発の内部告発を題材にした作品だが、堅苦しい社会派モノではなく、サスペンスをふんだんに織り込んだ陰謀劇に仕上げ、エンタテインメントたらんとしている所が潔い。原子炉の危機を訴える技師が発電所に篭城する終盤は、レモンの力演もあって迫力あるものになっている。

ダンケルク01 ダンケルク02


1940年6月1日。激戦地ソンムでの生き残りマーヤ曹長(ベルモンド)は、ダンケルクから本国に撤退する英軍に便乗し、フランスの窮状を訴える任務を拝した。分隊の友人にはペシミストの神父や、何かと要領のいい商売人など多士済々。マーヤは彼らと、土地も人心も荒れ果てたその地で英軍船の出港を待つ。その間に姉妹二人で屋敷を守る娘ジャンヌ(スパーク)と出会い、兵隊の暴力におびえる彼女をレイプから救って、二人の友軍兵を射殺する。戦争に醒めきったマーヤでも、さすがにそれはショックであったが、周囲の反応はいたって平静だ。そして彼はひょんな事から英軍船に潜り込むのだが、爆撃を受け、マーヤも岸に流される。海峡を越えることなく、海に浮かぶ無数のしかばね......。ジャンヌと結ばれたマーヤは、すべてをあきらめて彼女とともにこの地を去ろうと決め、浜辺の仮の住み家で彼女を待つのだが......。
広大な海岸にテントが無数に並び、強い日射しの中、何も前向きなことは始まらず、焦躁だけが募っていく。そんな生活を淡々とやり過ごしていく兵士たちの姿が戦争の一面の真実を確かに示している、ユニークな反戦映画。ここでのベルモンドは「勝手にしやがれ」や「気狂いピエロ」の彼と一脈通ずる虚無と優しさを漂わせ、いい感じである。


フリーダム・ライターズ01 フリーダム・ライターズ02


同名の全米ベストセラーを基に、荒廃する高校で、問題を抱え未来の見えなかった生徒たちと一人の女性教師が起こした奇跡の実話を映画化した感動ドラマ。主演は「ボーイズ・ドント・クライ」「ミリオンダラー・ベイビー」のヒラリー・スワンク。監督は「マディソン郡の橋」「フィッシャー・キング」などの脚本を手掛けたリチャード・ラグラヴェネーズ。
1994年、ロサンジェルス郊外のウィルソン公立高校。ここに理想と情熱を持って赴任してきた若い国語教師エリン・グルーウェル。しかし、2年前のロス暴動以来、激しさを増した人種間の対立は、彼女が受け持つ教室にも影を落とし、生徒たちはラティーノ、アフリカン・アメリカン、アジア系など、人種ごとに徒党を組み一触即発の状態。銃やドラッグがはびこり、その日を生きるのに精一杯で誰も将来のことなど考えようともしなかった。そんな生徒たちを相手に授業の進め方に苦心するエリン。ある日彼女は、生徒全員に日記帳を配り、何でもいいから毎日書くようにと提案する。やがて、徐々に本音を綴るようになった生徒たちは、次第にエリンに心を開き、そして自らの内面とも向き合い始めるのだった。


十二人の怒れる男01 十二人の怒れる男02


既に法廷劇の代名詞となって久しい、アメリカ映画史に輝く傑作ドラマ。元々は高い評価を受けたTV作品で、その脚本・演出コンビによる映画版だが、そのいかにもTV向きの密室劇を上手くスクリーンに転化させた手腕は見事の一言。17歳の少年が起こした殺人事件に関する陪審員の討論が始まったが、誰が見ても有罪と思えたその状況下で、ひとりの陪審員が無罪を主張した事から物語は動き始める……。時には感情的に、時には論理的に展開される討論が、次第に無罪判決への流れに変わっていくスリルが、12人の点描と共に丹念に描かれていく。脚本のローズと共に製作を担当したH・フォンダをはじめ役者陣の充実ぶりも良く、特に最後まで有罪を主張するリー・J・コッブが強い印象を残す。今までの密室から一転、裁判所前で皆が別れていくラスト・シーンの解放感が快い。

12人の優しい日本人01 12人の優しい日本人02


「櫻の園」の中原俊監督が、三谷幸喜が主宰する東京サンシャインボーイズのヒット舞台劇を映画化したコメディ。陪審員制度を題材にした名作「十二人の怒れる男」をモチーフに、もしも日本に陪審員制度があったら、という架空の設定のもとに陪審員として集められた人々の姿をコミカルに描く。ある殺人事件の裁判のためごく一般の市民12人が集められた。被告が若くて美しいことから議論は概ね無罪で決まりかけたとき、ひとりがそれに異を唱えたことから議論は白熱紛糾し……。

お買いもの中毒な私!01 お買いもの中毒な私!02


ショッピング中毒のヒロインが騒動を繰り広げるジェリー・ブラッカイマー製作のロマンティック・コメディ。ソフィー・キンセラによるベストセラーの小説シリーズ『レベッカのお買いもの日記』を映画化。カード限度額を超えるほどお買いものにハマり続ける主人公が、持ち前のポジティブ・キャラでピンチを切り抜けていくさまと、ふと訪れた恋の行方を描く。主演は「ウエディング・クラッシャーズ」「ハッカビーズ」のアイラ・フィッシャー。監督は「ベスト・フレンズ・ウェディング」のP・J・ホーガン。
地味な園芸雑誌の編集部で働くレベッカ・ブルームウッドは、華やかな一流ファッション誌の記者になることを夢見るニューヨーク在住の25歳。彼女も多くの女性と同じく“お買いもの”で日々のストレスを解消している。ただ、レベッカのお買いもの好きは尋常ではなかった。ブランド物を中心に衝動買いが止まらず、彼女の部屋はその品物で溢れかえるほど重症な“お買いもの中毒”なのだ。だがやがてある時、ついに支払い能力を超えてしまい、ようやく自分の懐具合を思い知らされるレベッカ。そこで彼女は生活を立て直すため転職活動を開始、憧れであるファッション誌の編集部に狙いを定める。しかし、何の間違いかレベッカが雇われた部署は、お目当てのファッション誌と同じ出版社の、おカタい経済誌だった…。

おっぱいバレー01 おっぱいバレー02


実話を基にした水野宗徳の同名青春小説を「ハッピーフライト」の綾瀬はるか主演で映画化。70年代後半の中学校を舞台に、新任女性教師の成長と彼女のおっぱい見たさに見違えるように練習に励む弱小男子バレー部員たちの奮闘をさわやかに綴る。監督は「海猿」シリーズ、「銀色のシーズン」の羽住英一郎。
1979年、北九州。中学校の新任国語教師・美香子は、男子バレー部の顧問を任されるが、そこに待っていたのは、バレーボールすらまともに触ったことのないやる気ゼロのダメダメ部員たちだった。彼らのやる気を引き出し、廃部寸前のバレー部を何とか立て直そうとする美香子だったが、ひょんなことから“試合に勝ったら、おっぱいを見せる”というとんでもない約束をさせられるハメに。おっぱいを見せるなんて絶対無理と思いながらも、別人のようにやる気を見せ始めた彼らと、日々の練習を通じて次第に信頼関係を築いていく美香子。そんな矢先、“おっぱいの約束”が学校で大きな問題となってしまう。


ダ・ヴィンチ・コード01 ダ・ヴィンチ・コード02


ルーヴル美術館での殺人事件を発端に、レオナルド・ダ・ヴィンチの名画に隠された暗号を解き明かし、事件の裏に秘められたキリスト教をめぐる人類史上最大の秘密に迫るダン・ブラウンの同名世界的ベストセラーを映画化した話題のミステリー大作。主演はトム・ハンクス、共演に「アメリ」のオドレイ・トトゥ。監督は「ビューティフル・マインド」「シンデレラマン」のロン・ハワード。
ある日、ルーヴル美術館で館長のジャック・ソニエールが殺害される事件が起こる。遺体は奇妙な体勢で横たわり、周囲には不可解な暗号らしきものが記されていた。フランス司法警察のファーシュ警部は、講演のためパリに滞在していたハーバード大学教授ロバート・ラングドンに協力を依頼、事件現場に呼び出す。宗教象徴学の権威であるラングドンはさっそく暗号の解読を始めるが、この時警部はラングドン自身をこそ疑っていた。そこへ、暗号解読官ソフィー・ヌヴーが現われる。ラングドンが無実で、事件解決には彼の力が不可欠だと確信する彼女は、直後、ある驚きの行動に出るのだった…。


タイタニックの秘密01 タイタニックの秘密02


「タイタニック」のジェームズ・キャメロン監督が、現在も海底奥深くに沈むタイタニック号の真実をさらに追究するため、最先端の3D技術を駆使してこの船の外観及び内部を鮮明に捉えたドキュメンタリー。監督自ら投資して作り上げたカメラ・システムでアイマックス・シアター上映用に製作した。
全世界で驚異的なヒットを放ったスペクタクル巨編「タイタニック」。あれから4年後の2001年、ジェームズ・キャメロン監督は、タイタニック号の真実を映画とはまた違った視点で再び探ることを決意。そして、監督は観客にアイマックス・シアターなどの大画面でタイタニック号の真の姿を“感じ取ってもらう”ために、最先端の“リアリティ・カメラ・システム”を開発。弟たちや科学者、歴史学者、「タイタニック」に出演した俳優ビル・パクストンらと共に、タイタニック号が海底3,650メートルに沈む北大西洋へと向かった。


タイタニック01 タイタニック02


「ターミネーター」シリーズのジェームズ・キャメロンが、これまでも数々の映画の題材となってきた史上最大の海難事故にラブストーリーをからめて描き出したスペクタクル・ロマン超大作。
1912年、イギリスのサウザンプトン港から豪華客船タイタニックが処女航海に出発した。新天地アメリカに夢を抱く画家志望の青年ジャックは上流階級の娘ローズと運命的な出会いを果たし、二人は互いに惹かれ合う。そこにはローズの婚約者である資産家キャルや、保守的なローズの母親などの障害が横たわるが、若い二人はそれを超えて強い絆で結ばれていく。しかし、航海半ばの4月14日、タイタニック号は氷山と接触。船は刻一刻とその巨体を冷たい海の中へと沈め始めていた……。
ほぼ実物大のタイタニックを建造したり、実際に沈んでいるタイタニックの撮影のために機材を開発したりと、総製作費2億ドルの名に恥じない堂々たる大作ぶりで、美術やCGをはじめとしてその絵作りの豪華さには圧倒されてやまない。3時間を超える長尺を一瞬たりとも飽きさせないキャメロンの演出も相変わらずの達者ぶりで、見応えのある作品になっている。ただ、肝心要のジャックとローズの恋愛話が型通りすぎて一本調子になっているのが惜しい。これは彼らをとりまく人々の描写が薄い事も起因しているのだが、その結果、なぜかくも二人が運命を乗り越えてまで結ばれようとしたのかという部分に説得力を持たせきれないまま終わってしまっているのだ。これで充分という人もいるだろうが、ドラマの厚みとしてはもう一工夫あって然るべきであった。ただ年老いたローズをメインに持ってきて回想形式(この辺のスイッチング処理はお見事)にした事は大正解で、演ずるG・スチュアートの存在感と相まって、作品に深みを持たせている。とにもかくにも、アカデミーを総嘗めにし、興業記録もことごとく塗り替えた歴史的作品である事は間違いない。それにしても、必要以上に強いヒロインというキャメロン作品のお約束事は、ここでもしっかり守られている。


死刑台のエレベータ これ以前に海洋ドキュメンタリー「沈黙の世界」で、クストーと並んで監督にクレジットされていたとはいえ、これこそルイ・マルがその斬新な演出技法を駆使して初めて作り上げた劇映画。その時、わずか25歳であった。原作はノエル・カレフの犯罪小説。土地開発会社に勤める技師ジュリアン(ロネ)は社長夫人フロランス(モロー)と通じており、邪魔な社長を殺す完全犯罪を目論んでいた。だが社内で社長を殺した帰途、残してきた証拠に気づいたジュリアンは現場へ戻ろうとするが、週末で電源を落とされたエレベーター内に閉じ込められてしまう。しかも会社の前に置いてあった車は、若いカップルに無断で使われており、彼らは彼らで別の犯罪を引き起こしていた……。徹底したドライなタッチと、即興演奏で奏でられるマイルスのモダンジャズ、モノクロ映像に封じ込まれた都会の孤独感によって描かれる完全犯罪の綻び。“ヌーヴェル・ヴァーグ”の先駆けというフレーズには、あえて眼をつぶろう。この作品の魅力は、そんな時代の呪縛からは完全に解き放たれている。

史上最大の作戦01 史上最大の作戦02


1944年6月、フランス、ノルマンディー。第二次世界大戦は佳境に差しかかろうとしていた。この地では、司令官ロンメル率いるドイツ軍が、英仏海峡を挟んで戦機をうかがう連合軍の攻撃に備えている。敵には人数で圧倒されているが、天候を味方につけて堅固な防御態勢を敷いていた。一方イングランドでは、アイゼンハワー司令官率いる連合軍が、ノルマンディー上陸作戦の日であるDデイを何日にするか最終的に絞り込んでいた。こうして6月6日の早朝、連合軍の空挺部隊が降下したのを皮切りに、いよいよ熾烈を極めた上陸作戦が始まるのだった…。
44年6月6日、連合軍によるノルマンディー上陸作戦に材を取ったコーネリアス・ライアンのノンフィクションを基に、名プロデューサー、ダリル・F・ザナックが製作費36億を投じて作り上げた一大戦争パノラマ。米・英・仏・独のトップスター総出演と、大画面いっぱいに展開される戦場の再現は、映画的興奮に満ち溢れ、至福と驚嘆の3時間を約束する。ビデオはワイド版の他、コンピュータによるカラライゼーションを施した<カラーライズ版>(サイズはスタンダード)がある。


しあわせの隠れ場所01 しあわせの隠れ場所02


一度はホームレスになるなど過酷な少年時代を過ごしながらも、ある家族との出会いによって自らの才能を開花させ、ドラフト1巡目指名でNFLデビューを飾ったマイケル・オアー選手の感動の実話をサンドラ・ブロック主演で映画化。原作はマイケル・ルイスのベストセラー・ノンフィクション『ブラインド・サイド アメフトがもたらした奇蹟』。共演はカントリー歌手のティム・マッグロウと「僕らのミライへ逆回転」のクィントン・アーロン。監督は「オールド・ルーキー」のジョン・リー・ハンコック。
夫と娘、息子の4人で幸せに暮らす裕福な白人家庭の夫人リー・アン。彼女はある凍てつくような真冬の夜、ひとり寂しくTシャツと短パンで歩いている巨漢の黒人少年に目を止め、声をかける。そして、マイケルと名乗るその少年を放っておけなくなり、ひとまず自宅へ彼を招き入れることに。マイケルは父親の顔も知らずに育ち、母親とは引き離され、住む場所や学校も転々とする劣悪な境遇に置かれていた。そんな彼に、はじめは憐れみだけを感じていたリー・アン。しかし、マイケルの瞳の中に輝きを見つけた彼女は後見人になると決心、自分の部屋と教育の場を与え、改めて家族の一員としてマイケルを迎え入れるのだった。リー・アンはある時、大柄でありながら敏捷な肉体と仲間を危険から守る保護本能に秀でた心を持つマイケルにアメリカン・フットボールの才能を見出す。こうしてアメフトに取り組むマイケルはたちまちその能力を発揮し、一躍注目選手として成長していくのだが…。


三人の名付親01 三人の名付親02


「恵みの光」(19)、「砂漠の生霊」(30)、未公開の36年版に続く、ピーター・B・カインの小説の映画化。保安官に追われる三人組の強盗が荒野のド真ん中で、身重の女を乗せた幌馬車に出会う。女は赤ん坊を産み落とすと、三人を名付け親に頼み息を引き取った。三人は赤ん坊を無事に町へ届けようと出発するが、水も無く陽に照らされるだけ彼らの道行きは困難を極めた……。アクションだけでなく、人情劇にも圧倒的な力量を見せるJ・フォードが、きめ細やかな人物描写と、西部の光景による心象描写を織り混ぜた逸品。罪を犯した男たちが幼い命を守ろうと旅する中、やがてそれが贖罪の道程へとなる寓意も含めて、実に感動的な造りになっている。“三人”に扮するJ・ウェイン、P・アルメンダリス、これがメジャー・デビューとなったH・ケリー・Jr(「恵みの光」では父ハリー・ケリーが主演していた)も熱演。74年には、TVムービー“THE GODCHILD”としてリメイクもされている。

セント・オブ・ウーマン01 セント・オブ・ウーマン02


気難しく人間嫌いな全盲の退役軍人と、心優しいエリート寄宿学校の苦学生との年齢差を越えた友情を描き出した感動作。A・パチーノの熱演(彼のまったく動かない“瞳”の演技に注目!)やC・オドネルのさわやかな演技は言うに及ばないが、「ミッドナイト・ラン」で男同士の奇妙な友情を軽快に見せてくれたM・ブレスト監督が、今度は打って変わってじっくりと人間愛を描き、コミカルなアクション映画が得意と思われていた監督の奥の深さを認識できる点も記憶しておきたい。尚、A・パチーノは七度目のノミネートにして遂にアカデミー主演賞受賞! G・アンウォーとタンゴを踊るシーンは絶品!(ゴールデン・グローブ賞でも作品賞、脚本賞、主演男優賞を受賞している)

ジャイアンツ01 ジャイアンツ02


テキサスの大牧場主のもとに、東部の女性が嫁いできた。東部と西部の気質の違いから、彼女は当初から苦労を強いられる。やがて二人の子供も成長し、親もとから巣立っていく……。テキサスの雄大な自然を舞台に、ある一家の30年に渡る人生を描いた大河ドラマ。40周年を記念して音質・画質を復元された本編に映像特典を加えた「特別版」のビデオも有り。

さよならをもう一度01 さよならをもう一度02


平凡な生活の中にある女性の幸福を描いた恋愛ドラマ。F・サガンの小説『ブラームスはお好き』の映画化で、監督のリトヴァク自らのプロダクションでフランスで撮影された。トラック販売会社の重役ロジェ(モンタン)と5年越しのつき合いの室内装飾家のポーラ(バーグマン)は、なぜか未だに結婚に踏みきれないでいる。ロジェには他にも遊び相手がいるようで気を揉むポーラだが、互いに束縛しないという不文律が二人の間にあるため、あからさまに嫉妬を表にも出せない。そんな時、ロジェから紹介された取引先のアメリカ人の一人息子フィリップ(パーキンス)の若い情熱にほだされ、彼との同棲生活に入るのだが……。だいぶダラダラとしたメロドラマだが、母性本能をくすぐる青年の一途さをパーキンスがよく表現し、フラれて雨の中を一人立ちつくす場面などは実に絵になっている。原作題通り、ブラームスの交響曲第三番、第三楽章の甘美なメロディが様々なアレンジで効果的に場面を繋いでゆく。

武士の一分01武士の一分02

山田洋次監督による「たそがれ清兵衛」「隠し剣 鬼の爪」に続く藤沢周平原作時代劇の第3弾。小藩の下級武士である主人公が、妻とのつましくも幸せな生活を踏みにじられたとき、一人の男としての尊厳を懸け毅然と立ち上がる姿を描く。主演は木村拓哉、共演に宝塚出身でこれがスクリーンデビューとなる檀れい。
三村新之丞は東北の小藩に仕える三十石の下級武士。剣術の覚えもあり、藩校でも秀才と言われながら、現在の勤めは毒味役。張り合いのない役目に不満を持ちながらも、美しく気立てのいい妻・加代とつましくも笑いの絶えない平和な日々を送っていた。ところが、そんな平穏な生活が一変してしまう。貝の毒にあたった新之丞が、一命は取り留めたものの失明してしまったのだ。絶望し、自ら命を絶とうとする新之丞を、加代は懸命に思い留まらせるのだった。しかし、武士としての勤めを果たせなくなった以上、藩の沙汰次第では生きていくことも叶わない。そこで加代は、嫁入り前からの顔見知りだった上級武士の島田藤弥に相談を持ちかけるのだったが...。


サウンド・オブ・ミュージック01 サウンド・オブ・ミュージック02


ロジャース&ハマースタイン・コンビの大ヒットしたブロードウェイ・ミュージカルの映画化で、監督は「ウエスト・サイド物語」(61)に続きミュージカルを手掛けることになったR・ワイズ(当初はウィリアム・ワイラーの予定であった)。「菩提樹」(56)でも知られるトラップ一家の物語を、雄大なアルプスの景観や緑美しい木々、そして忘れがたき数々のナンバーで織り上げた名作だ。
1938年のオーストリア、院長の命により厳格なトラップ家へ家庭教師としてやって来た修道女マリア。彼女の温かい人柄と音楽を用いた教育法で、七人の子供たちはマリアの事が好きになるが、父親であるトラップ大佐とマリアの衝突は絶え間なかった。だが、次第に大佐に惹かれている事に気づき悩むマリア。やがて大佐の再婚話が持ち上がり彼女は傷心のまま修道院に戻るのだが……。後半、ようやく互いの気持ちに気づき結婚したマリアと大佐が、戦火を逃れるため子供たちを連れて国外へ脱出するまでが描かれるが、この3時間近い尺を一瞬たりとも飽きさせない造りは驚異的。万人向けのミュージカル作品としては最高峰に位置するといっても過言ではないだろう。


サマーストーリー01 サマーストーリー02


田舎町にやってきた青年が、村の娘と恋に落ちる。青年は真摯な気持ちであったが、都会の生活が忘れられない。やがて娘を振り切って都会へ戻ったとき、娘が彼の子供を宿していたことを知る……。

地上(ここ)より永遠に01 地上(ここ)より永遠に02


アメリカ陸軍組織の腐敗と兵士個々の愛憎を描いてベストセラーとなった、ジェームズ・ジョーンズの長編小説の映画化。1941年の夏、ハワイ・ホノルルの兵営にプルーと呼ばれる青年兵が転隊して来た。プルーはこの部隊に公正な待遇を期待してきたのだが、現実は彼の考えていた様にはいかなかった……。バート・ランカスター、フランク・シナトラらが出演する昔ながらの名作。アカデミー作品・監督・脚色・撮影・録音・編集・助演男優(シナトラ)・助演女優(リード)を受賞。

この愛のために撃て01 この愛のために撃て02


デビュー作となる前作「すべて彼女のために」が世界的に注目を集めたフランス期待の新鋭フレッド・カヴァイエ監督が贈るタイムリミット・サスペンス・アクション。何者かの陰謀に巻き込まれ身重の妻を誘拐されたごく平凡な男が、様々な危機に直面しながら繰り広げる決死の救出劇をノンストップで描き出す。主演は「アデル/ファラオと復活の秘薬」のジル・ルルーシュ。
パリ市内の病院に勤務する看護助手のサミュエルは、出産を間近に控えた妻ナディアと幸せな日々を送っていた。ところがある日、帰宅した彼は暴漢に襲われ、妻を誘拐されてしまう。やがて誘拐犯から、3時間以内に一人の入院患者を病院から連れ出せ、との有無を言わさぬ指示が入る。その患者とは、昨夜、交通事故で重体のまま運び込まれた重要事件の容疑者サルテだった。腹をくくり、サルテをどうにか連れ出したものの、これによって警察からも追われる身となってしまうサミュエルだったが…。


黒いオルフェ01 黒いオルフェ02


オルフェウス伝説を描いたレリーフをぶち破って響く、圧倒的音量のサンバにたまげて、即、この素晴らしい音楽劇の虜となってしまった。ひとまずそれが収まって、流れるタイトル・ソングがまた美しい。そのジョビンのボサノヴァを世界に知らしめた映画でもある本作は、ギリシア神話のオルフェとユーリディスの挿話に基づき、ブラジルの詩人ヴィニシウス・デ・モライスが書き下ろした物語を映画化したもので、カルナヴァルに沸くリオを踊り手たちの視点からいきいきと描いて、その地を旅した、いや、それ以上の感慨--彼らと共に唄い踊る夢み心地--に浸らせてくれる。
カルナヴァル見物に田舎から従姉セラフィナを訪ねた美少女ユーリディスは、彼女を乗せた市電の運転手オルフェと、祭りのリハーサルで再会。子供たちから“太陽”と慕われるオルフェには、派手好きなグラマーの婚約者ミラがいたが、ユーリディスの清純な美しさにすっかり参ってしまう。その夜、彼女を従姉宅に送ったオルフェだったが、恋人の水兵シコと睦み合うセラフィナにすっかりあてられて、ユーリディスを抱き寄せると、彼女はそれを待ち受けていたかのように唇をくれた。そして、愛しあって迎えた朝、彼は自作曲をギターで弾き語る(ルイス・ボンファによる『カルナヴァルの朝』)。と、どうだろう、子供たちに約束した通り、その音と共に朝日が上がった。祭は本番。ユーリディスも従姉の好意で、彼女の衣装を着て、ミラの目をごまかしオルフェと共に踊るが、やがてバレてしまい争いが起きる。泣いてその場を逃げ出したユーリディスは、自分に影のようにつきまとっていた死神の装束の男に追い込まれ、事故死。翌朝、その亡骸を抱きかかえ、彼女と恋を語らった高台に来たオルフェは嫉妬に狂ったミラの投げた石を頭に受け、そこから墜落死してしまう。だが、今度は子供たちの中から新たなオルフェの生まれる番。可愛らしい踊りを見せ映画は終る。ムラート(混血児)たちの褐色の肌の輝きを眩しく捉えたキャメラも最高だ。


荒野の七人01 荒野の七人02


無法者の一団に、貢ぎ物を強要されている寒村があった。村人は少ない金を出し合い、無法者たちを撃退するガンマンを雇おうと決意する。そして、村人の願いを受け、凄腕の7人の男たちが集まった……。黒澤明「七人の侍」を翻案したウェスタン。こちらだけを観れば大傑作であるが、本家と比べてしまうと、やはり面白さの密度は薄い。

荒野のガンマン01 荒野のガンマン02


主人公イエローレッグは、南北戦争で捕虜となったとき、南軍の兵士に頭の皮を剥がされそうになった。彼は戦争が終わった後も、その相手を探し求めていた。とある村で、彼は一人の男をリンチから救う。だが、その相手は、かつて彼に残忍な振舞いをした当の相手だった。彼は自分の素性を隠し、男とチームを組んで銀行強盗を計画するが、そこで無垢の子供を誤って射殺してしまう。子供の母親は、遺体を父親の眠る廃墟となった町へ運ぶと言い出し、イエローレッグたちは護衛を願い出るが……。ペキンパー監督によるアクション西部劇。

近距離恋愛01 近距離恋愛02


TVドラマ「グレイズ・アナトミー」で人気のパトリック・デンプシー主演で贈るロマンティック・コメディ。長年の大親友である女性への愛に気付くも、突然他の男と結婚が決まった彼女の花嫁付添人を務めるハメになった主人公の恋の行方を描く。共演に「M:i:III」のミシェル・モナハン。監督は「シティ・スリッカーズ2/黄金伝説を追え」のポール・ウェイランド。
大学時代から10年来の大親友であるトムとハンナ。性格も境遇も対照的ながら2人は互いを知り尽くし、恋人同士のように度々一緒に出掛け、ひいては何でも打ち明けられる男女の壁を越えた間柄だった。そんなある時、ハンナがスコットランドへ6週間の長期出張に発つ。するとトムは、いつも自分のそばにいることが当たり前の彼女と離れたことで、初めてハンナへ恋していると気付くのだった。そして、彼女が帰国したらこの想いを伝えようと腹を決めたトム。しかし、再会したハンナは、出張先で出会ったという恋人を連れてきていた。さらにその恋人との婚約を報告された挙げ句、結婚式での彼女の筆頭花嫁付添人(メイド・オブ・オナー)を頼まれ、結局その役目を引き受けてしまうトムだが…。


恐怖の報酬01 恐怖の報酬02


メキシコにほど近い中米の町ラス・ピエドラス。マリオは同じ食い詰め者や札付きたちの集まるこの町で、恋人リンダや仲間のジョーと苦楽をともにしていた。そんなある日、町から500キロ離れた山上の油田で大火災が発生、犠牲者も続出してしまう。石油会社は一刻も早く消火させるため、ニトログリセリンの使用を決断。そこで危険なニトログリセリンを運搬する4人を賞金付きで募集し、マリオ、ジョー、ビンバ、ルイジが選ばれた。こうして彼らは2台の運搬車に乗り込み、現場へ向かうのだが…。
南米の油田で発生した大火災を消火するため、ニトログリセリンをトラックで運ぶ四人の男を描いた傑作サスペンス。中盤からクライマックス、次々と襲いかかるトラブルをとてつもないサスペンスで描き出したクルーゾーの演出はそれだけでなく、男たちの人物描写にも最大限の効果を発揮し、吹きだまりに生きる男たちが一攫千金を夢見て危険な仕事に挑むという図式を克明に映し出している。156分のフランス版あり。


騎兵隊01 騎兵隊02


南北戦争さなか、劣勢にあった北軍は巻き返しを図ろうと、マーロウ大佐(ウェイン)を指揮官に任命。重要拠点ビックスバーク奪取に、敵補給基地ニュートン駅を叩く作戦に出た。敵の裏をかき、少数精鋭で前線の背後から潜入する計画である。軍医ケンドール少佐(ホールデン)も同行したが、医師の誤診で妻を亡くしている大佐は彼を邪険にする。一行は途中、両親を早くに亡くした南部美人ハンナが一人守る屋敷を接収。表面にこやかに迎えながらも誇り高い彼女は、彼らの会議をストーヴの煙管を利用し盗聴。勘のいい少佐がこれを見つけ、大佐は仕方なく黒人召使ルーキーと共に彼女も連れて行くことにする。この、とても従順とは言えないハンナの抵抗のエピソードが微笑ましい。鉄火肌のサザン・ベル(南部女)をタワーズが好ましく演じる。予想外に駅が簡単に陥落し、訝しがっていると、敵は彼らの動きを察知しており、突如奇襲をかけてくる。結局は彼らの勝利に終わるのだが、この戦闘で両軍とも多くの負傷者を出し、少佐はその治療のため、未だ敵陣のこの地に、看護婦を務めるハンナと共に居残るのだった。クライマックスの激戦の他は至ってのんびりした展開の作品で、追いつめられた南軍が幼年学校の生徒(おたふく風邪で二名欠席!)まで駆り出し、さすがにこれを相手にするわけにはいかないと撤退となる場面は、フォード流の誇張されたユーモアが心地よい。

眼下の敵01 眼下の敵02


歌手から役者へ、そして監督・製作業に転向したD・パウエルの紛れもない代表作にして、最高傑作。第二次大戦下の南大西洋を舞台に、アメリカ駆逐艦とドイツ潜水艦の文字通り息詰まる戦いを描く。ワン・シチュエーションの中であらん限りの技巧を尽くすシナリオと、徹底したゲーム感覚の展開も良く、双方の艦長が互いを好敵手と見なす構図なども定石ながら心憎い。ミッチャム、ユルゲンスの対照的なキャラクターも際立っている。

カルメン故郷に帰る01 カルメン故郷に帰る02


日本初の全編カラーという歴史的作品を最新デジタル技術により美しくよみがえらせた一編。東京に出てストリッパーとなった娘おきんが、リリー・カルメンと名乗り、同業の女友達とともにふるさとに錦を飾りに帰ってきた。派手な衣装とふるまいで村中を驚かせた二人は、やがて村でストリップの公演を企画、静かな村は大騒動に。底抜けに明るい、おきん役の高峰秀子が名コメディエンヌぶりを見せ、木下惠介監督の才が光る作品。

ケイン号の叛乱01 ケイン号の叛乱02


『戦争の嵐』等でも有名な作家ハーマン・ウォークのピューリッツァ賞受賞の同名小説を映画化。第二次大戦中、嵐の海上で艦隊からはぐれてしまった軍艦ケイン。それまで威張り散らしていた艦長が沈没の恐怖から精神錯乱に陥った。副長は緊急に艦長を解任、自ら嵐を乗りきり無事帰港するが、彼らを待っていたのは艦長解任の是非を巡る激しい軍事裁判だった……。映画は、前半を洋上における乗組員たちの確執と暴風雨のスペクタクル描写、後半を帰還後の軍事法廷に描き分け、動と静とのコントラストが鮮やかである。精神的な弱さを露呈してしまう艦長をH・ボガートが好演、法廷で彼を極限まで追及していくクールな検察官に扮したJ・ファーラー等も見事な演技を見せる。紛れもなくアメリカ映画史上に残る傑作。後年、TVムービー「軍事法廷/駆逐艦ケイン号の叛乱」としてリメイク。

グラン・プリ01 グラン・プリ02


カーレースでチャンピオンを争うレーサーたちの姿を描いたアクション。アメリカ人のF1レーサー、ピートはモナコなどヨーロッパ各地を転戦する過酷なレースでライバルたちとしのぎを削っていた。常に死と隣り合わせの彼らは、プライベートでも癒やされるどころかそれぞれに色恋沙汰で揉めている。やはりピートも皆と同じように男女の問題を抱え、ある日妻と別れる羽目に。そんな時、彼はホンダ・チームの矢村から誘いを受けた。やがて、実力を買ってくれた矢村のもとでレースに参戦したピートは、期待通りの強さをみせていく。こうしてライバルたちと競り合いながら、いよいよイタリアでのグラン・プリ最終戦に挑むのだが...。
70mmの大画面に繰り広げられる大迫力の世界グランプリ。今観るとマシンのフォルムに古さを感じるが、疾走する車を捉えたカメラの凄さは語り草となっている。特に、モナコGPを低空飛行のヘリから追ったシーンのド迫力はフランケンハイマーの真骨頂と言っていい。また豪華なキャストとその配役のうまさも忘れ難い作品で、中でもY・モンタンと三船敏郎が渋い味を出している。


キューティ・ブロンド/ハッピーMAX01 キューティ・ブロンド/ハッピーMAX02


超ポジティブ・シンキングのブロンド娘がキュートなハチャメチャぶりを発揮する大ヒット・コメディの続編。いまや法律事務所でりっぱに働くヒロインが、今度は政界を舞台に動物実験反対の法律改正目指して突き進む姿を軽快なテンポで描く。監督は「KISSing ジェシカ」の成功で本作に抜擢された新鋭チャールズ・ハーマン=ワームフェルド。
ハーバード・ロー・スクールを優秀な成績で卒業したエルは、晴れて大手法律事務所に勤めることになった。また、彼女は恋人エメットとの結婚を3ヶ月後に控えている。その挙式に向けて、愛犬ブルーザーの母親も招こうと思い立つ。さっそく母犬探しを始めたエルとブルーザーだったが、ようやく見つけた母犬はとある実験施設で化粧品開発のための実験台にされようとしていた。怒り心頭のエルは、事務所の会議で動物実験を止めさせるためにその化粧品会社と戦うことを提案する。しかし、相手が事務所のクライアントだったことから、逆にエルのほうがクビを宣告されてしまう…。

キューティ・ブロンド01 キューティ・ブロンド02


政治家志望の恋人の心を取り戻そうと一念発起、超一流ロー・スクールに合格した陽気で派手好きなブロンド美女が、周囲の偏見にもめげず持ち前のポジティヴシンキングで目標に向かって突き進むさまを描いたコメディ。主演は「クルーエル・インテンションズ」のリース・ウィザースプーン。監督はオーストラリア出身のロバート・ルケティック。
陽気で天然ブロンド美人のエル・ウッズ。大学ではファッション販促を専攻し、成績も優秀で女性社交クラブの会長を務めるほどの人気者。そんなエルがいま何よりも待ち望んでいるのが政治家志望の恋人ワーナーのプロポーズの言葉。しかしある日、ワーナーが切り出したのは別れ話。議員の妻にブロンドはふさわしくないというのが理由。突然のことに動転するエルだったが、ワーナーがハーバードのロー・スクールに進学すると知ると、自分もそこに進みワーナーに認めてもらおうとファイトを燃やし、みごと超難関の試験を突破するのだったが……。


間諜X2701 間諜X2702


映画は第一次大戦さ中のウィーンに始まる。土砂降りの雨の中、今日も裏街の娼窟で女が自殺した。救急車が来て亡骸を運んでゆくのをみつめるディートリッヒに名はない(彼女はさり気なくストッキングをずり上げ、その脚線美を見せつける)。“今にお前もああなるぞ”と声をかける刑事。“私は生きることを恐れないわ。死ぬことも”と返す彼女。そのやりとりを見ていた男が彼女の客となり、間諜を持ちかける。反オーストリアかの問いに男が頷くと、彼女はワインを買いに出るふりで警察を呼ぶ。が、男は諜報局長官。その愛国心を讃えられた彼女は殉職した軍人の妻であり、X-27号のコードネームを与えられ、反逆者と目される大佐の身辺を洗う任務を負うが、その最中、ロシア軍大佐(V・マクラグレン)と仮面舞踏会で謎めいた出会いをし、ポーランドの前線で宿命の再会を果たす。宿屋の女中に化けた(ディートリッヒ、ほぼノー・メイクですっかり別人)X-27号は、同行させた愛猫から彼女とバレてしまい、楽譜にした伝言文は大佐が弾いてみればまったく曲になっておらず、暗号と発覚する。だが、彼はワインに眠り薬を盛られ昏倒。囚われの身となるが、直接訊問に来た彼女に逃がされる……。愛のために反逆の罪に問われたX-27号は、女らしい服装とピアノを弾くことだけ要求し、毅然として処刑場の露と消えていくのだった(彼女に憧れる若い将校が目隠ししようとするのを断って、その布で彼の瞳に溢れる涙を拭ってやる際のマレーネの婀娜っぽさ!)。フォン・スタンバーグは本気で、この世紀の恋人を讃えるためだけに映画というメディアを使い切っている。ドラマチックな二重露光の使用は、彼女にまつわる彼の思いを痛切に表現しているようにも見え、感動的だ。

ガン・ファイター01 ガン・ファイター02


いささかセンチメンタルに過ぎるかもしれないが、原題を“最後の夕陽”という、この西部劇は忘れ難い。今は人の妻となった恋人(D・マローン。夫に扮するのはJ・コットン)に旅の果て再会した男(K・ダグラス)は、彼らが経営する牧場に雇われる事になる。夫の好意あっての事だが二人の愛娘(C・リンレイ)の美しさにほだされてしまったからでもある。そこへお尋ね者の彼を追って、ロック・ハドソン扮する保安官が現れ、彼も又娘に恋してしまう。一時は男を見逃そうとさえする保安官だが、男も娘を愛していると知り、心穏やかでない彼は、やがて男との決闘の時を迎える。しかし、その直前、男は娘の出生についての真実を知り……。赤狩りでハリウッドを追われた脚本家D・トランボが「スパルタカス」で公式に名誉を回復して後、再びダグラスと組み、こうした禁断の愛やドス黒い人間ドラマの作品系譜を一方で持つアルドリッチが監督した、ギリシア悲劇的なムードの異色作。

ガス燈01 ガス燈02


ロンドン、ソーントン街。ガス燈の点る頃、この町を後にしイタリア留学に向かうポーラ(バーグマン)。彼女の育て親である、名歌手の誉れ高き叔母は何者かに殺され、事件は未解決。傷心のまま旅立った彼女だったが、新天地で恋をし、声楽の勉強を諦め、その相手、作曲家のグレゴリー(ボワイエ)と夫婦になる。彼は彼女の育った家に関心を持ち、そんな落ち着いた環境で暮らしてみたいと言うので、ポーラも忌わしい記憶を拭い去って、ロンドンで再び生活を始めるが、叔母のピアノに男名前の差出人の手紙を見つけて以来、物忘れや盗癖が目立ち始めたと、夫は指摘する。部屋のガス燈も奇妙にちらつき暗くなる。それを感じるのは自分だけのようだ。本当に狂ってしまったのか……。彼女の不安は高まる。夫と共に出かけたロンドン塔ですれ違った男に会釈され、思わず微笑み返すポーラ。しかし、彼は知らない人だ。が、観客にはすぐ、これが彼女の叔母に可愛がられた警部キャメロン(コットン)だと分かる。彼は彼女と夫の様子を見て、迷宮入りした叔母の件の再調査に取りかかるが……。謎解きよりグルーミーなキューカーの雰囲気演出に見どころのある作品で、40年の同名英映画のリメイク。バーグマンのニューロティックな演技のうまさ(アカデミー主演女優賞受賞)もあり、あらかじめ分かっていることを思っていた通り辿ることが快感にもつながる。A・ラズベリーの淫蕩な感じのメイドが謎めいて、いい効果をあげている。筋に直接関係ないが、叔母が最も大事なファンにあげたと言う、作曲家グノーのサイン入りの手袋の片方の所在に関する挿話が微笑ましい。

忠臣蔵 四十七人の刺客01 忠臣蔵 四十七人の刺客02


池宮彰一郎の同名小説を、池上金男(池宮彰一郎のペンネーム)と竹山洋と市川崑の三人が脚色し映画化。赤穂浪士の討ち入りを描いた時代劇であるものの、従来の「忠臣蔵」と異なり、討ち入りを「情報戦」「経済戦」「暗殺」という視点で描いた意欲作。元禄十四年、江戸城で浅野内匠頭が吉良上野介に刃傷沙汰を起こし、浅野は切腹、赤穂藩は取り潰しとなった。浅野の家臣である大石内蔵助は藩主の仇を討つべく、塩相場で莫大な資金を得、その金を使って吉良の賄賂説を流布させた。江戸庶民の吉良に対する反感が高まり、また赤穂浪士による討ち入りの噂が流れるようになり、吉良邸は江戸城の御府外へ移転することになった。

Tommy トミー01 Tommy トミー02


“ザ・フー”の傑作ロック・オペラの映画化で、舞台での上演を想定して製作したレコードが大元。その演奏と比較すれば、シンセサイザーの装飾過多や統制のとれないボーカル陣が脆弱だが、まず映画となったロック・ミュージカルでは最高峰だろう。ラッセルの映像魔術が開花した驚異的なイメージが幾つかあるし、何はともあれ曲は“ザ・フー”、本物のロック・サウンドだ。
先の大戦で空軍パイロットの夫に先立たれ、ノーラは息子トミーと訪ねた夏のキャンプのガイド、フランクと再婚。が、ある夜、突如帰還した前夫(顔にひどい火傷跡)に錯乱したフランクは彼を殴り倒し、それをトミーに見られてしまう。何も見ず聞かなかったことにし黙っているよう、両親からきつく言い渡されたトミーはそのまま三重苦になる。病んだ心は彼を幻想の旅へと誘い、家族で遊園地に遊んでもうわの空で、ビデオ・ゲームの戦闘機に意識を飛ばすと、それは万華鏡のように拡散して彼を包み込む。母は彼の障害を除こうとして、あれこれ試みる。クラプトンが“唄う教祖”となっている新興宗教はモンロー像を崇拝し、聖餐にはウィスキーに睡眠薬が出される。T・ターナーのアシッド・クィーンは強烈。無数の注射器をあしらった治療器具はひとがたで、「メトロポリス」のロボットのよう。そこに彼女はトミーを放り込み、エロティックな夢を見させる。彼(成長して“ザ・フー”のボーカル、ダルトリーが演じる)のお守りをする親戚は変態ばかり。が、廃車捨て場に逃げたトミーはそこにあったピンボールに霊感を受け、そのゲームの天才児と評判になり(ここでエルトンが主題歌“Pimball Wizard”を唄う)、巨万の富を得、精神科医ニコルソンの診療を受けた後、突如自力で治癒する。この奇跡が彼を教祖に祭り上げていくのだが……。非常にメッセージ的な内容で、チョコレート塗れになる母親役のマーグレットの熱演が印象的。


カサブランカ01 カサブランカ02


戦火近づく'40年の仏領モロッコ、カサブランカは、自由を求めて渡米しようとする人々で溢れていた。ナイトクラブを経営するリックの元へ、ナチの手を逃れてここまでやって来た抵抗運動の指導者が現れる。だがその人物の妻は、かつてパリでリックと恋に落ちたイルザだった......。ボガート、バーグマン、そしてカサブランカの警察署長に扮しイイ味を醸し出すレインズ。激動の時代、別れた恋人、再燃する愛--これでもかと注ぎ込まれたロマンティックな要素。そして、『君の瞳に乾杯』、『アズ・タイム・ゴーズ・バイ』など心くすぐるキーワード。言わずと知れたアメリカ映画の古典的作品で、アカデミーの作品・監督・脚色賞を受賞。だが、リアルタイムで観ていない限り、この作品に"よくできたメロドラマ"という以上の価値を見出す事は困難である。

オーシャンズ1201 オーシャンズ1202


ハリウッド・トップ・スターたちの豪華な共演が実現し、世界中で大ヒットを記録した「オーシャンズ11」の続編。前作のメンバーに「シカゴ」のキャサリン・ゼタ=ジョーンズが加わり、ヨーロッパ全土を舞台に、犯罪のドリームチームが仕掛ける一大計画が実行に移される。監督も引き続きスティーヴン・ソダーバーグが務める。
ラスヴェガスのカジノから1億6000万ドルが盗まれて3年。カジノのオーナー、ベネディクトは事件がオーシャン一味の仕業によるものと知る。事件後、盗んだ金を山分けし、それぞれ犯罪から足を洗い、まっとうな人生を歩もうとしていたオーシャンとその仲間たち。ところが復讐を誓うベネディクトは彼らの居所を突き止め、一人ひとり訪ねて回り、2週間以内に利子を付けて返済するよう脅迫するのだった。追い詰められたオーシャンたちは再び集結し対策を練る。結局彼らは返済のために再び大きなヤマに挑むべく、アムステルダムへと向かう…。


いそしぎ01 いそしぎ02


人里離れた美しい海岸に、息子とふたりで暮らす奔放な女流画家と聖職者の道ならぬ恋を描く。9歳になる息子ダニーを学校に行かせず自分で教育し、自由に暮らしていた無名の画家ローラ。だが判事の命でダニーは強制的にミッション・スクールに行かされることになり、牧師であり校長を務めるエドワードと出会う。エドワードは、美しく強い個性を持つローラに自らの信念をも揺るがされるほどひかれていく。アカデミー歌曲賞受賞。

大いなる決闘01 大いなる決闘02


脱獄した凶悪犯コバーンはかつての復讐を果たすため、元保安官ヘストンを襲いその娘を誘拐する。開拓時代が終わろうとしている1909年のアリゾナを舞台に、建国200年を記念する意味も含めて製作された大型西部劇。ただし娘を手下にレイプさせたりするシーンなどの残酷趣味もあって、正統ウェスタンの復活とは言い難い。

駅馬車01 駅馬車02


1880年代の西部を舞台に、様々な人物模様を乗せたまま、アリゾナからニューメキシコへと疾走する一台の駅馬車を描いたジョン・フォードの痛快西部劇。医者、商売女、酒商人、銀行頭取、大佐夫人、賭博師、保安官、御者、それにお尋ね者のリンゴオ・キッドを加えた8人の道行きを、短い場面やセンテンスに凝縮させた脚本の巧みさ。そして、クライマックス、ダイナミックかつスピーディに展開されるアパッチの襲撃シーンの凄さを語るのに、今さら付け加えるべき言葉はない。だが、当然の事ながらフォードの演出が冴え渡るのは何もアクション・シーンに限っての事ではなく、リンゴオ(ウェイン)と商売女ダラス(トレヴァー)の感情の触れ合いを始め、キャラクターの成長と変化をさりげなくも効果的に描き出している。役者陣も皆良く、中でも酔いどれ医師に扮したT・ミッチェルはアカデミー助演男優賞を受けた(オスカーは他に作・編曲部門にも与えられた)。アメリカ映画、いや全映画史に燦然と輝く娯楽映画の金字塔である。どこを切り取っても名場面、それがその証明だ。

悪の花園01 悪の花園02


落盤事故にあった夫を救けるため、妻は4人の男たちを雇い、カリフォルニアへ向かう。インディアンの襲撃などを絡め、男たちの色と欲の葛藤を描いたアクション。

愛情物語01 愛情物語02


ピアニストとして生計を立てようとニューヨークにやって来たエディ。彼は資産家の令嬢マージョリーに見出され、オーケストラで演奏することに。また、2人の間には恋が芽生え、結婚。やがて息子ピーターが生まれたエディは、順風満帆な人生を送っていくように思われた。だがクリスマスの夜、マージョリーが急死してしまう。落ち込んだエディはピーターを残し巡業、そして第二次大戦に身を委ねていく。終戦後、10歳になったピーターのもとへ戻ってくるエディだが...。
不世出と言われた名ピアニスト、エディ・デューチンの伝記物語。音楽家としての華々しい成功だけでなく、愛妻の死、新しい恋人とのほろ苦い恋、そして息子との心の葛藤など、人間として苦悩に満ちた生涯を送った男の感動的な人間ドラマに仕上がっている。監督G・シドニーは、見事な職人芸でまとめ上げており恋愛映画の教科書と言っても過言ではない。


おしゃれ泥棒01 おしゃれ泥棒02


贋作画家シャルル・ボネの家に、内偵中の私立探偵シモンが忍び込んだ。ところがたちまち、画家の娘ニコルに発見されてしまう。シモンを泥棒と信じたニコルは、美術館からビーナス像を盗み出すことを依頼する。警戒厳重な美術館に、二人は潜入することに成功するが……。オードリーのロマンティック・コメディ。

オーシャンズ1301 オーシャンズ1102


ラスベガスのカジノホテルを舞台に、凄腕の個性豊かな犯罪チームが華麗に繰り広げる人気シリーズ第3弾。仲間の一人を窮地に陥れた冷酷な悪徳ホテル王にリベンジを果たすべく、再び集結したオーシャンズが立ち上がる。監督は引き続き「トラフィック」のスティーヴン・ソダーバーグ。今回はジョージ・クルーニー、ブラッド・ピットら、おなじみのレギュラー・キャストに加え、アル・パチーノとエレン・バーキンが初参加。
“オーシャンズ”の古参メンバー、ルーベンは、これまで所有する全てのホテルで最高格付けの“5つダイヤ賞”を獲得してきた業界屈指のホテル王ウィリー・バンクと組み、ラスベガスに建つ巨大ホテルの共同経営を約束していた。しかし、突然バンクに裏切られたショックで心筋梗塞に倒れ、危篤状態になってしまう。その報せを受け彼のもとに集まったオーシャンたちはバンクに復讐を誓い、因縁の宿敵ベネディクトまでも味方に引き入れる。彼らの戦略は、この一件の発端となった超高級ホテル“バンク”のグランド・オープンに合わせ、ホテルの最新セキュリティと評判をズタズタにし、バンクを完全に破綻させること。そしていよいよオープン当日、オーシャンズの壮大なプロジェクトが始まる…。


オーシャンズ1101 オーシャンズ1102


ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツ、アンディ・ガルシア、マット・デイモンといったビッグ・スター共演による犯罪サスペンス。オリジナルはシナトラ・ファミリー総出演の「オーシャンと十一人の仲間」(60)。監督は「エリン・ブロコビッチ」「トラフィック」のスティーヴン・ソダーバーグ。
保釈中のカリスマ窃盗犯ダニー・オーシャンは刑務所暮らしの4年間にとてつもない犯罪計画を練り上げていた。それは、ラスベガスの3大カジノの現金がすべて集まる巨大金庫から、厳重な警戒とセキュリティシステムを破って現金を盗み出すというもの。その額なんと1億6000万ドル! オーシャンは旧友のラスティに話を持ちかけ、この計画の遂行に不可欠な各分野のスペシャリストのスカウトを始める。やがて、11人の選りすぐりの犯罪ドリーム・チームが誕生した。こうして11人のプロによる、ミスの許されない秒刻みの史上最大の強奪作戦が始まった……。


栄光のル・マン01 栄光のル・マン02


プロ・レーサーのマイク・デラニーは、ル・マン24時間耐久レースに出場するため現地へ向かった。そこには世界中から一流のレーサーたちが集まったほか、去年マイクも危うく命を落としかけたレースで夫を亡くし、今回別のレーサーに付き添うリサもいた。また、マイクはフェラーリで参戦する最大のライバル、エーリッヒ・ストーラーと宿命の対決を予感するのだった。そして、いよいよレースがスタート。マイクはポルシェを駆り、ライバルたちとしのぎを削っていく。雨にも見舞われ、ますますレースが激しさを増す中、トップ争いを展開するマイクとストーラー。ところが、マイクは他の車が引き起こした大きなアクシデントに巻き込まれてしまう…。
仏のル・マンで開催される24時間耐久レースにカメラを持ち込み、セミ・ドキュメンタリー・タッチで完成させた大作。マックィーン自らのプロデュースで、彼の率いるソーラー・プロが製作。70mmの大画面を使いきった見事な画面レイアウト、息を飲むような絶妙なタイミングのカット割りによって、耐久レースに挑むレーサー、メカニック、それを冷静に見つめる女たちが鮮烈に描かれていく。どしゃ降りの雨の中にかすむポルシェのシルエット、爆発寸前のマシンから脱出する時の焦燥感等、過酷なレースの息づかいが実に鮮やかに描かれている。また、レース・シーンのみならず、影のある孤高の主人公を渋く演じたマックィーン始め、レーサーに扮した俳優たちの存在感が圧倒的に光る。ラスト・シーンは映画史上に残る名場面。


エネミー・オブ・アメリカ01  エネミー・オブ・アメリカ02


弁護士ディーンはある日、本人も気づかないままに暗殺事件の証拠を手にしてしまう。事件の首謀者は、NSA(国家安全保障局)の行政官レイノルズ。NSA は最新鋭のテクノロジーを駆使した隠蔽工作を開始し、ディーンを証拠と共に抹殺しようとする。愛する妻の信頼と職業上の成功を失い、犯罪者の濡れ衣まで着せられ、追いつめられるディーン。孤立無援の彼は元諜報工作員ブリルを味方につけ、全能の監視追跡システムを操る巨大な敵を相手に、反撃を開始するが……。

熱いトタン屋根の猫01熱いトタン屋根の猫02











ビッグ・ダディと呼ばれるポリット家の当主が、ガンで余命いくばくも無いと判明した。長男夫婦は遺産を狙って、彼に取り入ろうとする。しかし、ビッグ・ダディは、酒浸りの次男ブリックに愛情を注いでいた。ブリックはかつて、名フットボーラーとしてビッグ・ダディの自慢のタネであった。しかし足を故障して以来、妻のマーガレットとも不仲になり、生きる糧を見いだせない男に堕していた……。南部の旧家を舞台にしたヒューマン・ドラマ。

アラモ01
アラモ02


当時メキシコ領であったテキサスの、アラモ砦に立てこもったアメリカ人と、それを包囲攻撃するメキシコ軍との壮絶な戦いを、史実に基づいて描いた作品。パールハーバーと並んで、“アラモを忘れるな”という言葉は、アメリカ人にとって特別の意味を持つ。そのエピソードを、タカ派で知られるJ・ウェイン自身が、製作・監督したのが興味深い。LDは「ディレクターズカット/アラモ特別版」が有り。


アラスカ魂01
アラスカ魂02


1900年、ゴールドラッシュに沸くアラスカを舞台にした、J・ウェイン主演=H・ハサウェイ監督による痛快娯楽作。金鉱を掘り当てたサム(ウェイン)は採掘機を買いに出かけたシアトルで相棒ジョージ(グレンジャー)の婚約者を迎えに行くが、彼女は既に結婚していた。仕方なく知り合った美女ミシェール(キャプシーヌ)を代わりに連れて戻るサム。そこへ採掘権を横取りしようとする悪漢一味が現れた……。活劇の趣向はそこそこに、どちらかというとキャプシーヌをめぐってのいざこざが尺を占めているが、それは原作が舞台劇だった事を考えると納得がいこう。アクションは要所要所のみに絞られ、ウェイン、グレンジャー、キャプシーヌの会話劇の妙味が楽しい。ハサウェイの大らかな造りが効を奏した一作。

四月の雪(韓国)

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四月の雪01 四月の雪02


人気俳優ペ・ヨンジュン主演のラブ・ストーリー。互いのパートナーが同乗していた車が事故に遭遇したことで裏切りの事実を知ってしまった男女が、心の傷を癒やし合ううち、いつしか互いに惹かれていく。監督は「八月のクリスマス」のホ・ジノ。共演に「永遠の片想い」のソン・イェジン。
コンサート会場の照明ディレクターを務めるインスは、仕事中に妻スジンの交通事故の知らせを聞き、彼女が搬送されたサムチョクという町の病院へ駆けつける。その廊下には、夫が交通事故に遭ったという女性ソヨンが独り悲しみに打ちひしがれていた。やがて彼らは、事故処理の結果から互いの伴侶が不倫関係にあり、同じ車に乗っていたという衝撃の事実を突きつけられるのだった。それぞれパートナーに対し、怒りと悲しみが込み上げ複雑な心境に苛まれるインスとソヨン。そんな2人も互いに励まし合ううち、恋愛感情が芽生えていく...。


やじきた道中 てれすこ01

やじきた道中 てれすこ02


おなじみの"弥次喜多コンビ"に売れっ子花魁が加わり繰り広げる珍道中に、古典落語のネタを散りばめ、賑々しく描く痛快人情喜劇。主演は十八代目中村勘三郎、柄本明、小泉今日子。また、多彩にして豪華な共演陣が3人の珍道中を盛り上げる。監督は「OUT」「しゃべれども しゃべれども」の平山秀幸。
天下太平の江戸時代。大阪で"てれすこ"なる奇妙奇天烈な生き物が捕獲され、人々の話題を集めていた。その頃、江戸・品川の遊郭"島崎"では、売れっ子花魁・お喜乃が、新粉細工職人の弥次郎兵衛に作らせた偽の切り指を愛の証と偽り客に贈って金をせしめていた。お喜乃はある日、弥次さんが自分に気があるのを良いことに、遊郭から連れ出してくれと無理難題を押しつける。ちょうどその時、部屋の外では弥次さんの幼なじみで売れない歌舞伎役者の喜多さんが、舞台での大失態を苦に首を吊ろうとしていた。思わぬ形で再会した弥次さんと喜多さんは、お喜乃の脱走を手助けすると、追っ手を逃れて西へ西へと奇妙な3人旅に繰り出すのだったが...。


拝啓天皇陛下様01
拝啓天皇陛下様02


「張り込み」など多くの松本清張作品を映画化した野村芳太郎監督・脚本による人情喜劇。幼い頃から親戚の家をたらいまわしにされ、貧しい生活を送っていた山田正助にとっては、三度の飯にもありつけて教育も受けられる軍隊は天国のようだった。戦争が終わるといううわさを聞いた正助は、習ったばかりの文字を駆使して、軍隊にいさせてほしいと天皇陛下に手紙で訴える。主人公、正助を渥美清が好演。

夫婦善哉(日本)

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夫婦善哉01
夫婦善哉02


織田作之助の同名小説を八住利雄が脚色、豊田四郎が監督、森繁久彌と淡島千景が主演し映画化。1963年には本作と同じ豊田監督、森繁・淡島主演で「新・夫婦善哉」が製作された。曾根崎新地で売れっ子芸者の蝶子は、大阪の化粧問屋の道楽息子である柳吉と駆け落ちする。柳吉は親から勘当されてしまったため、生活が苦しくなってしまった。蝶子はヤトナ(臨時雇い)芸者として働き始めるが、柳吉は蝶子の稼いだ金を道楽に使ってしまうのだった。

ひばりの森の石松01
ひばりの森の石松02


美空ひばりが森の石松にふんし、一人二役を演じた娯楽時代劇。道すがら、男たちに囲まれ斬られそうになっていた旅人を助けた石松。ところが、男たちは清水次郎長一家の大政、小政、増川の仙右衛門で、逃がした旅人は仙右衛門の親の敵である神沢の小五郎だった。敵討ちの邪魔をした落とし前をつけようとした石松は、その威勢の良さで晴れて次郎長の子分として認められ、小五郎を捜し出して単身、敵地へ乗り込んでいく。


丹下左膳餘話 百萬兩の壺01
丹下左膳餘話 百萬兩の壺02


わずか28歳の若さで戦死してしまった早世の天才映画監督・山中貞雄の現存する3本のうちの1本。それまでチャンバラものとして人気のあった丹下左膳を主人公に、擬似家族が織り成すホームドラマ風人情喜劇が展開する。
とある小藩に伝わるこけ猿の壺。実はこの壺に先祖が埋め隠した百万両のありかが示されていることが判明する。だが、壺は先日江戸の道場屋敷に婿入りした弟・源三郎が知らずに持って行ってしまっていた。やがて、その秘密は江戸の源三郎にも知れるところとなるが、一足遅く壺は道具屋に売り渡されてしまっていた。ほどなく壺は道具屋の隣に住む安吉の金魚入れとなる。しかしその夜、安吉の父親は行きつけの遊技場である矢場で、チンピラとの諍いから刺し殺されてしまう。矢場で用心棒の傍ら居候をしている左膳と矢場の女将・お藤は男の家を見つけるが、そこで、安吉が母親を早くに亡くし父親との二人きりだったことを知る。仕方なく二人は安吉を預かることにし、安吉が大事にしている金魚を入れた壺とともにお藤の矢場へと連れ帰るのだった。一方、源三郎は壺を探して市中を回るが、そこでたまたま目にした矢場で働く娘に軽い浮気心を抱く。以来養子の身である源三郎は壺を探すと称しては矢場へ入り浸り羽を伸ばすようになり、いつしか安吉、左膳とも親しくなるのだったが......。
大胆にして絶妙な省略を多用し笑いとテンポを巧みに生み出すあたり、まるで上質なハリウッド・コメディを観ているかのような錯覚を覚える(もちろん監督がそれらの作品を念頭に本作をつくったのはいうまでもない)。そしてなによりも驚くのはその的確にして奥行き深い人物造形で、矢場の女将と左膳の、照れ屋で意地っ張りでしかも口は悪いが根は優しい、そんな江戸っ子気質をみごとに描き出している。また、源三郎にしても城主の弟で今は養子の身という居心地の悪さと、それでいてどこかのん気で次男坊のお気楽さがちょっとしたセリフや行動からさりげなく表わされていて、その的確で無駄の無い演出に恐れ入る。それにしても、この時代に日本でもこれだけ高い完成度を誇る映画が作られていたことに今さらながら驚くとともに、何よりその監督のあまりにも早すぎる死が無念でならない。

三等重役(日本)

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三等重役01
三等重役02


源氏鶏太の人気サラリーマン小説を、山本嘉次郎と井手俊郎が脚色し春原政久が監督した。映画はヒット、このあと続々と「三等重役」シリーズが製作された。また人事課長を演じた森繁久彌も人気を博した。
南海産業の前社長だった奈良が追放されたことにより、桑原は社長の座に着いた。いわゆる"三等重役"である。奈良の社長復帰は、本人が脳溢血で倒れたため困難となってしまった。ほっと胸をなで下ろす桑原。社長夫人は新しい着物を着たいため、社内結婚奨励の回覧板を作成するなど、やりたい放題。桑原は東京へ出張することになったが、前社長が世話していたお鶴を同行しなければならなくなり、人事課長の浦島も連れて行くことにした。


黒部の太陽01
黒部の太陽02


木本正次による同名原作をもとに「日本列島」の熊井啓が脚本・監督を務めた。共同脚本は「喜劇 競馬必勝法」の井手雅人、撮影は「情炎」の金宇満司、音楽は「禁じられた情事の森」の黛敏郎がそれぞれ担当。三船敏郎と石原裕次郎という、日本を代表する二大スターが共演を果たしている。
富山県黒部川上流に関西電力が建設する第四発電所。現場責任者には北川が任命され、資材運搬用のトンネル掘削は熊谷組が担当することになった。熊谷組の岩岡源三の息子である剛は父の強硬なやり方に反発し設計技師となっていた。現場に赴いた剛はそこで体力が衰えてしまった父と、熱心に工事に打ち込む北川の姿を見て、工事に参加することにする。やがて工事現場では山崩れが起こり大量の水が流れ込んだ。北川は自分の娘が白血病に冒されたことを知るが、工事現場を離れることができなかった。


ALWAYS 続・三丁目の夕日
ALWAYS 続・三丁目の夕日02


西岸良平の人気コミックを実写映画化し大ヒットした人情ドラマの続編。前作終了時点から4ヶ月後の東京下町を舞台に、夕日町三丁目に暮らす面々の人間模様をノスタルジックに描く。監督は引き続き「ジュブナイル」「Returner リターナー」の山崎貴。
昭和34年の春、日本は東京オリンピックの開催が決定し、高度経済成長時代を迎えようとしていた。そんな中、東京下町の夕日町三丁目では、茶川が黙って去って行ったヒロミを想い続けながら淳之介と暮らしていた。そこへある日、淳之介の実父である川渕が再び息子を連れ戻しにやって来る。そして、人並みの暮らしをさせることを条件に改めて淳之介を預かった茶川は、安定した生活と共にヒロミへ一人前の自分を見せられるよう、一度はあきらめていた"芥川賞受賞"の夢に向かって執筆を始めるのだった。一方、経営が軌道に乗り始めていた鈴木オートでは、事業に失敗してしまった親戚の娘・美加をしばらく預かることになるのだが...。


ALWAYS 三丁目の夕日_01

 ALWAYS 三丁目の夕日_02


西岸良平の人気コミック『三丁目の夕日』を映画化した人情ストーリー。誰もが明るい未来を信じていた昭和30年代の東京下町を舞台に、個性豊かな人々が織りなす心温まる人間模様を綴る。広大なロケセットに加え、「ジュブナイル」「Returner リターナー」の山崎貴監督が得意のVFX技術を駆使し、当時の街並み・風俗をリアルに再現。
昭和33年、東京下町の夕日町三丁目。ある日、鈴木則文が営む自動車修理工場・鈴木オートに、集団就職で上京した六子がやってくる。しかし、思い描いていたイメージとのギャップに、少しがっかりした様子。その鈴木オートの向かいにある駄菓子屋の店主で、しがない小説家の茶川竜之介。彼はひょんなことから、一杯飲み屋のおかみ・ヒロミのもとに連れてこられた身寄りのない少年・淳之介の世話をすることになるのだが...。