2017年3月アーカイブ

300種類以上もある桜
日本の春を象徴する花、ソメイヨシノ(森林総合研究所提供)桜ほど日本人にとって思い入れの深い花はないだろう。花見はもちろんのこと、入学式の校庭に咲く桜を思い出す方も多いに違いない。桜にちなんだヒット曲がいくつも挙げられる。

多くの文学作品に登場し、様々なデザインに採用されている。人の名前にもなる。映画「男はつらいよ」の主人公・寅さんの妹「さくら」はあまりにも有名だ。現在放送中のNHK朝の連続テレビ小説「べっぴんさん」でも、ヒロイン坂東すみれの娘に「さくら」の名前がついている。国民的な人気がある特別な花なのだ。日本の国花は、法律で定めたり、学会が決めたりという公式なものはないが、広辞苑などによれば、桜と菊が事実上の国花とされている。
そもそも桜には人の手が加わっていない野生種と、人の手で増殖する栽培品種がある。そして野生種にも、種間雑種といって人の手は経ないものの自然の中で違う種が交配して誕生するものがあるのでややこしい。ヤマザクラやシダレザクラ、カスミザクラなど、皆さんは桜の名前をいくつ挙げられるだろうか? 野生種・栽培品種を合わせると300種類以上といわれている。
その中で特に私たちになじみ深いのがソメイヨシノだ。全国の公園や街路、堤防に植えられている桜のほとんどを占める。ヤマザクラやシダレザクラなどが大半を占める京都市(京都御所周辺)のように例外エリアはあるものの、私たちが桜と言った時には、ふつうはソメイヨシノをイメージする。

ソメイヨシノの始まりは江戸・染井村の吉野桜JR駒込駅に近い染井吉野桜記念公園にある発祥の里記念碑

ソメイヨシノの原産地ははっきりわからないが、江戸時代、植木職人が多く暮らしていた染井村(現在の東京都豊島区駒込付近)から売り出された「吉野桜」が始まりと考えられている。奈良県の桜の名所・吉野山にちなんだ名前の付け方で、ブランド戦略の一種なのだろう。JR駒込駅の近くには、発祥の地をPRする記念碑もある。

ソメイヨシノの名前が初めて文献に記録されたのは1900年(明治33年)にさかのぼる。東京帝室博物館(現在の東京国立博物館)の藤野寄命という人物が、日本園芸会雑誌で命名を報告した。上野公園に多く植えられていた「吉野桜」とされる桜を詳しく観察したところ、吉野山に多いヤマザクラとは花と葉の形態が異なっていることに気がついた。吉野桜と呼ばれているが本当は違うのではないか。藤野はそう考えた。そして、染井村から売り出された吉野桜という言い伝えを古老から聞き、二つの名前を合わせて「ソメイヨシノ」と名前をつけたのが始まりだった。

成長早く、花が大きく、見栄えよし

ソメイヨシノの増殖は接ぎ木の手法をとっている。増やしたい親木から「穂木」という枝を切り、台木と呼ばれるソメイヨシノの木につなぎ合わせて育てるやり方だ。木が大きくなったら、そこからまた穂木を採取して接ぎ木して育てる、という手順を繰り返していくため、全国のソメイヨシノは遺伝子がどれも同一のクローンだ。ソメイヨシノ登場以前に桜の代名詞だったヤマザクラは、花見ができるほど多くの花がつくサイズ(高さ10メートル前後)まで成長するのに10年はかかるが、ソメイヨシノは5年ほどで見栄えのするサイズに育つ。成長が早くて花が大きく見栄えがいい。この特徴は花見の名所を作る側からすれば好都合だ。これが明治時代以降、ソメイヨシノが全国に普及した理由とされている。

明治期からずっと続く起源探しエドヒガン(写真上)とオオシマザクラ(同下)(ともに森林総合研究所提供)

ソメイヨシノの名前が世に出てからも、生い立ちを探る研究は、明治から大正、昭和、平成と120年近く続いてきた。植物学者たちは花や葉の形態を調べたり、交配実験を行ったり、分子生物学の進展に伴ってDNAを分析したりと、その時代に合った様々な手法で取り組んできた。一連の研究を時代ごとに振り返ってみよう。

【明治期】 原産地のわからない野生種説

1901年(明治34年)、東京大学の松村任三博士によって、ソメイヨシノの「プルヌス・エドエンシス」(Prunus yedoensis)という学名が発表された。プルヌスはサクラの属名、エドエンシスは江戸という場所で見つかったことを意味する種名だ。ただし、この頃はまだ野生の桜について研究が深まっておらず、ソメイヨシノも原産地がはっきりわからない野生種の一つと考えられていた。

【大正期】 エドヒガンとオオシマザクラの雑種説エイシュウザクラ(森林総合研究所提供)
大正時代には、花や葉の特徴を手がかりに「染井村の吉野桜」の正体を推定する植物学者が出てきた。
屋久島にウィルソン株という屋久杉の巨大な切り株がある。米国の植物学者E・H・ウィルソン博士が報告したことからこの名前がついているが、このウィルソン博士が1916年(大正5年)に、ソメイヨシノは野生種のエドヒガンとオオシマザクラの雑種であるとする説を発表している。しかし当時の植物分類学では雑種という考え方は奇異で、ウィルソン説は無視されていた。

【昭和期・戦前】 韓国・済州島起源説

昭和になると、韓国・済州島起源説が提唱された。植物分類学の第一人者だった小泉源一・京都帝国大学教授が、済州島産の桜の標本にソメイヨシノに似たものを見つけた。この桜は古くから同島で見られたといい、地元ではワンボナムと呼ばれていた。1932年(昭和7年)、小泉博士は済州島を現地調査し、ワンボナムの自生を確認。ワンボナムを済州島の古い別名エイシュウからとったエイシュウザクラと呼んだ。また、日本に生えているのと同じソメイヨシノも済州島に自生していたと報告。そのうえで、同島から日本に移入されたものではないかと推定した。

【昭和期・戦後】 雑種説を交配実験で確認
この済州島起源説は、植物分類学の権威が唱えただけに学界でも有力視されてきたが、戦後の1960年代になって見直されることになる。野生の桜の研究が進み、日本には10の野生種があることがわかっていた。前出のエドヒガン、オオシマザクラのほか、ヤマザクラ、カスミザクラ、オオヤマザクラ、マメサクラ、タカネザクラ、チョウジザクラ、ミヤマザクラ、カンヒザクラで、この中からソメイヨシノの両親を探す科学者が出てきた。

国立遺伝学研究所(静岡県三島市)の竹中要博士は戦後、桜の人工交配実験を様々に行い、花や葉の形態的特徴を観察して、ソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラの雑種とみられると1962年に報告した。竹中博士は遺伝研の敷地内に、人工交配によって作りだした桜や各地の桜を植えて観察を行っていた。現在では立派な桜並木になり、「遺伝研の桜」といえば地元では知らない人がいないほど有名な花見の名所になっている。

【平成期】 DNA分析で裏づけ
平成の時代に入ると、ソメイヨシノの生い立ち研究は新たな段階を迎える。分子生物学の発展によって、DNA分析で雑種説を裏づける研究が登場してきた。花や葉の形態を調べる過去の研究でソメイヨシノは雑種という考え方が定着してきたものの、本当にそうなのか、「他人のそら似」ということはないのか、最新のDNA分析で科学的に確かめてみようというわけだ。
桜の栽培品種は、いい性質をそのまま引き継ぐため、接ぎ木という人為的な方法で増やすことが多い。とはいえ、ソメイヨシノのような栽培品種であっても、もとをたどれば自然界で、ある桜の雄しべで作られた花粉が、風や虫によって別の桜の雌しべに運ばれ受粉して、というプロセスを経て誕生したと考えられている。ソメイヨシノの父親(花粉を飛ばした個体)と母親(受粉した雌しべを持つ個体)をDNA分析で推定できないのだろうか。
先駆けとなった京都大学グループの研究(1996年)でわかったのは、ソメイヨシノの母親がエドヒガンということだった。どのように調べたのだろう。通常の細胞核DNAとは別に、細胞内の小器官にある独自のDNAをみる手段があるのだ。例えば光合成を担う葉緑体(小器官)にあるDNAは、母方からのみ遺伝する特徴を持つ。細胞核のDNAは、父親のDNAと母親のDNAがどうブレンドされて遺伝するかは偶然に左右されるが、この葉緑体DNAは、どの種が父親であろうと変わることなく子に遺伝する。比べてみるとソメイヨシノとエドヒガンの葉緑体DNAは一致する。これでエドヒガンが母親だということが突き止められた。

・ヤマザクラも交ざっている可能性

2014年、森林総合研究所の研究グループは、ソメイヨシノのDNA分析を行い、DNAの塩基配列に見られる特徴的な繰り返し配列部分を26か所にわたって分析し、ソメイヨシノの遺伝子がどういう集団に由来するのかを調べた。その結果、エドヒガン由来の可能性が一番高く、次いでオオシマザクラ由来の可能性が考えられた。三番目にはヤマザクラに由来する可能性も、DNAの特徴から推定できることがわかった。

桜博士の勝木俊雄さん研究グループの勝木俊雄博士(49歳)(同研究所多摩森林科学園サクラ保全担当チーム長)は、約25年にわたり桜の研究に取り組んでいる第一人者。岩波新書「桜」を著し、科学番組では桜博士と紹介されている。ソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラの雑種とこれまで考えられてきたが、DNA分析の結果から勝木さんは「おそらく、オオシマザクラにヤマザクラが少し交ざったものと、エドヒガンから生まれたのではないか」とみている。
勝木さんたちの研究グループは昨年12月、国際植物分類学連合の発行する専門誌に、ソメイヨシノなどサクラ類の交雑種の分類について整理した論文を発表した。

済州島のエイシュウザクラはソメイヨシノの起源だとする昔の説が韓国では今も信じられており、勝木さんは韓国のメディアからその件で取材を受けたこともある。学界でも、エイシュウザクラにソメイヨシノの学名「プルヌス・エドエンシス」をそのまま使ったうえで、同じ仲間ながら少しだけ違うソメイヨシノ「変種」と位置づけていて混乱していた。

そこで今回の論文では、済州島の現地調査と形態学的な検討を踏まえ、エイシュウザクラはエドヒガンとオオヤマザクラの種間雑種と位置づけ、エドヒガンとオオシマザクラの種間雑種(ソメイヨシノ)とは厳格に区別した。勝木さんによると、国際組織の専門誌に論文を掲載したことで、学問的には「ソメイヨシノとエイシュウザクラは別物」ということが決着し、ソメイヨシノは純日本産であり、まさに「日本の桜」だと位置づけられるという。

・生い立ち調べるのは植栽管理のため

それにしても、科学者はどうしてソメイヨシノの生い立ちを調べるのだろう。勝木さんによれば、理由は二つある。ソメイヨシノは全国の公園や街路、堤防などに植えられており、植栽管理の必要がある。病気に強いのか弱いのか、低温や乾燥といった環境条件でどの程度耐えられるのかなど、ソメイヨシノの特徴を理解しておく必要がある。由来をはっきりさせることは、ソメイヨシノの性質を知る基礎データ集めの作業だという。
そして、もう一つは純粋に科学的な興味。人の手で増やされているこれほど身近な植物がどういう生い立ちなのか気になる、ということだ。
ここまで、ソメイヨシノの起源を探る研究を紹介してきたが、ソメイヨシノとヤマザクラなど他の桜を見分けることはできるだろうか。専門家は、花の色、咲くときに葉が出るかどうか、生えたばかりの葉(若葉)の色などの特徴から識別しているが、素人目にはなかなか違いがわかりにくい。

そこで勝木さんに、簡単な見分け方を教えてもらった。ポイントは花の色と、若葉だ。カッコ内は分布域。

ヤマザクラ(東北南部~九州)=白い花、赤い若葉もうすぐ日本列島にお花見の季節がやってくる(写真は京都府八幡市の背割堤の桜並木、2016年4月2日撮影)

カスミザクラ(北海道~九州北部)=白い花、褐色・黄緑色の若葉

オオヤマザクラ(北海道~九州)=赤みのある花、赤い若葉

オオシマザクラ(伊豆諸島、伊豆半島など)=白い大きな花、緑の若葉

エドヒガン(本州~九州)=赤みのある小さい花、花が咲いた時には若葉は出ない

ソメイヨシノ(北海道南西部~九州)=赤みのある大きい花、若葉は出ない

花見の時に、「おやっ、ソメイヨシノとちょっと違うんじゃないかな」と気づくことがあったら、花と葉の特徴からどの種なのか見分けるのもちょっと面白い。

日本気象協会が3月15日に発表したソメイヨシノの開花予想によれば、今年は九州、北陸、東海地方では平年並みまたは遅いところがあり、関東甲信地方から北海道までは、平年並みの予想だという。
桜前線は、3月22日に福岡市でスタートし、23日には、愛媛県宇和島市、東京都千代田区、横浜市で開花する見込みだ。九州から関東地方にかけての多くの地域で3月末までに開花の便りが届くだろう。これらの地域では開花から満開までの日数が1週間から10日前後となるため、新年度を満開の桜で迎えられるところが多いとみられる。4月上旬には北陸・東北地方南部で開花すると予想している。桜前線が津軽海峡を渡り、北海道で花見を楽しめるのはゴールデンウィークのころだという。

2017-03-17_215738岡山市南区藤田に建つ高さ6メートルのビニールハウス。中に入ると室温は30度。数百株のバナナが生い茂り、南国の風景が広がっていた。
コメ卸大手の関連会社が、国内では珍しいバナナの大規模栽培を始め、3日、開園式を行った。今年2月に植え付けた株は3メートルほどに成長し、年内にも初出荷する。
日本の店頭に並ぶバナナは99・9%以上が輸入品。国産は九州や沖縄で年130トンほど生産されているだけだ。岡山は気候が温暖で、ハウスに被害を及ぼす台風が少ないことに着目したという。
初年度は21トンの出荷を見込み、5年後には10倍以上に増やす計画。運営する神明ファーム(神戸市)の吉川和男社長は「熱帯特有の病虫害がほとんどなく、無農薬で作れるのも国産のメリット。岡山を日本一のバナナの産地にしたい」と話す。 2017-03-17_215656

コメ卸最大手・神明(神戸市)の関連会社、神明ファーム(同)が岡山市で始めたバナナ栽培。日照が多く、災害が少ない自然条件から、栽培の適地と判断したという。今後生産量を増やしていく計画で、フルーツ王国・岡山に新たな名産が加わりそうだ。
同市南区藤田など3カ所の田畑(計80アール)を地元農家から賃借し、新設、既設を合わせ11棟のビニールハウスを活用。高さ70~80センチの計1400株を、今年2月から植え付けた。
品種は糖度が高い「グロスミッシェル」を中心に5種類程度。ハウス内は30度に加温し、湿度を60~70%に保つ。本州にはバナナの害虫がほとんどいないため、農薬は使わない。8人のスタッフで管理に当たっている。
生育は順調で、1株につき150本ほどのバナナが実り始めている。今月中に首都圏の百貨店や高級レストラン向けに出荷する。安心・安全で希少な国産品として、一般的な輸入バナナの10倍以上の値段で販売する予定。初年度は8400万円の売り上げを見込んでいる。来年には岡山高島屋(岡山市)でも販売する。
農林水産省などによると、バナナは1世帯当たりの購入量が年約18キロで、果物では最も多い。国内で流通する約100万トンはほとんどがフィリピン、エクアドルなどから輸入されている。
本業のコメの価格が低迷する中、1年を通じて安定した需要がある一方、ほぼ年中収穫でき、栽培にあまり手間がかからないバナナに着目したという。

2017-03-14_171741●最高峰に世界注目
「エベレストの標高を再測量する」。インド測量局は1月、こう発表した。標高8848メートルの世界最高峰だけに、世界中で成り行きが注目されている。
同測量局によると、2015年4月にあったマグニチュード7・8のネパール地震で地殻が変動し、標高が変化した可能性があるという。公認されている最後の測量から60年以上経過している点からも、改めて現代の技術での測量が必要と判断したとみられる。英BBC放送は、人工衛星によるデータには、山頂が低くなった可能性を示すものもあると報じている。
日本では国土地理院が国内各地の標高をたびたび見直しており、高くなる山もあれば低くなる山もある。

●日本の基準、東京湾
標高はどのように測るのか、日本での変遷を紹介する。山頂に限らず、どんな場所でも同じだ。
明治~昭和初期に採用されたのは、高校の数学で習う三角関数を用いた手法だ。山頂に対し、測量者がいる場所からの水平距離を経度と緯度から求め、仰角(見上げた角度)を「経緯儀」と呼ばれる機器で調べる。この二つのデータがそろえば三角関数で標高が分かる。
昭和期も三角関数を使ったが、光の往復時間から最大60キロ程度の距離をミリ単位で測れる「光波測距儀」が昭和40年代前半に登場し、精度が上がった。頂上までの距離を測り、仰角と合わせれば標高が計算できる。
そもそも、日本の標高はどこを基準としているのか? それは東京湾の平均海面で、1891(明治24)年5月に国会議事堂(東京都千代田区)のそばに設置された「日本水準原点」(24・5メートル)が測量の起点とされた。例えば富士山は、原点から駿河湾、さらに山腹へと細切れに測り進め、標高が3776メートルとされたのは1926(大正15)年だ。2017-03-14_172102
ただ、関東大震災や東日本大震災による地殻変動で原点は24・39メートルに下がった。
近年では電波を利用した「汎地球測位航法衛星システム」(GNSS)も使われている。真球と仮想する地球表面からの標高を求め、山頂の真下にあると仮想する海水面の高さを引いて答えを出す。仮想海水面は、場所による重力の違いで上下することも加味している。原理が似ている全地球測位システム(GPS)は重力を考慮に入れておらず、正確な標高は分からない。エベレストの再測量は、三角関数を使う手法のほか、人工衛星も利用するという。

=日本水準原点標庫
東京都千代田区永田町1丁目1番2   国会前庭洋式庭園内(国会前庭北地区、憲政記念館構内)
北緯 35度40分37.9899秒、東経 139度44分52.2492秒

●日本、屈指の観測網
日本列島はプレート(岩板)境界にあり、地下に複雑な力がかかっているため地殻変動が激しい。このため、GNSSはその観測でも欠かせない。地理院は全国約1300カ所に経度、緯度、標高の基になる「電子基準点」を配置し、その位置の変化をこのシステムで日々監視している。
さらに水平位置と標高を示す一~四等の「三角点」は約11万カ所、主に標高の基準となる「水準点」は約1万7000カ所に設置し、世界でも類を見ないきめ細かい観測網が整備されている。地理院測地基準課の大滝修課長は「それぞれ地震などで位置が変動すればデータを修正しなければならない。観測網の維持管理に多大な時間と費用がかかるが、国土の骨格を記録する重要な作業だ」と話した。

002「鼻水」や「くしゃみ」と並ぶ自覚症状「目のかゆみ」は、QOL(生活の質)を大きく低下させる。近年、かゆみを抑える対症療法に加え、体を花粉に慣らす「減感作療法」の選択肢が増え、広く行われるようになってきた。

重症化で視力低下も
花粉症による目のかゆみはアレルギー性結膜炎によるもので、目が花粉に過剰に反応することで起きる。目の結膜は、白目の表面と上下のまぶたの裏側を覆う膜。直接外界に接していてアレルゲン(アレルギーの原因物質)が入りやすいことや、アレルギーの反応を引き起こす免疫細胞がたくさんあることで、かゆみなどの症状が出やすい。

目薬で症状抑える
日本眼科医会によると、日本には約2千万人のアレルギー性結膜炎の患者がおり、その約85%が花粉症によるものと推測されている。このうちスギ花粉が原因の患者は約70%。スギ以外では、ヒノキやカモガヤ(イネ科の雑草)、ヨモギ、ブタクサなどの花粉が原因。
治療は、主に抗アレルギー薬の目薬の点眼だ。かゆみを引き起こす指令を伝える物質が細胞から血液に出てこないように抑えるもので、症状を鎮めるための「対症療法」の薬だ。
抗アレルギー薬でも症状が治まらない場合は、ステロイド点眼薬や飲み薬を使用する場合もある。

医療費抑制も
一方、アレルギーのもとを抑える「減感作療法」がある。アレルゲンのエキス(抽出液)を少しずつ量を増やしながら体に入れ、体をアレルゲンに慣れさせる治療法だ。花粉症のシーズン中の開始は副作用がある可能性が高いので避けた方がよいが、来期に向けた治療の有力候補になる。欧米では既に一般的で、結膜炎や鼻炎などの症状を抑えることが分かっている。
舌下免疫療法はスギ以外の花粉に対応していないので、治療を始める前に本当にスギ花粉のアレルギーかを調べる検査が必要。効果は2、3カ月で出始めるが、数年かかることもあるとされている。

プールはOK
花粉シーズンをうまく乗り越えるにはセルフケアも大切。外出時にマスク・メガネをし、帰宅後は洗顔やうがいをする。テレビや新聞の花粉情報で、飛散が多いときは無駄な外出は避ける。

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