2016年7月アーカイブ

2016-07-25_0923関西でエスカレーターを利用する際のマナーは立ち止まる人が右に並び、歩く人が左側を使う「右立ち」だ。一方、関東をはじめ、全国的には「左立ち」が主流なのは良く知られるところ。
そもそも関西はなぜ右立ちで、いつから始まったのだろうか。
相愛大学特任教授の前垣和義氏(大阪文化論)によると、きっかけは阪急電車だという。
阪急梅田駅は1967年、現在の阪急うめだ本店がある場所から移転した。その際、3階乗り場に通じる長いエスカレーターが設置された。
そこで「走って上り下りするのは大変危険ですのでおやめください」に続き、「お歩きになる方のために左側をお空けください」というアナウンスを流し始める。「立ち止まる人と歩く人の両方の利便性を考えた」ものだった。アナウンス自体は「右手が不自由な人は左側に立たざるを得ない」などの指摘を受け、98年に終了した。2016-07-25_0936
なぜ左側を空けるようにしたのか。阪急電鉄は「詳しい資料は残っていない」というが、前垣さんは「利用状況を調べて、右手で手すりをつかんで右側に立つ人が多かったため。右利きが多い日本では右手で手すりをつかむのが自然」とみる。
もっとも、右立ちはすぐには定着しなかったようだ。浸透したきっかけの一つに挙げられるのが「大阪万博説」。万博は梅田駅のアナウンスから3年後、70年に開かれた。多くの外国人が大阪を訪れるのに備え、交通ルールを基準に「国際標準」の右立ちを徹底したというものだ。
しかし、前垣さんは疑問を投げかける。「万博会場は混雑がひどく、片側を空けるどころではなかった」と指摘。「右立ちを呼びかける取り組みがあった記憶もない」と振り返るが、確かに万博期間中は「右側通行」を呼びかけるアナウンスを聞いた記憶がある。
前垣さんは万博のしばらく後、ATMコーナー(当時は現金引き出しだけのCD)にロープが張られて順番に利用するようになったころから「関西人のマナーに対する意識が高まってきた」と分析する。阪急電鉄も「右立ちは合理的な関西人に徐々に受け入れられたのではないか」と話す。
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近年はエスカレーターを歩くこと自体が危険だとする訴えが広がってきた。日本エレベーター協会(東京・港)は「エスカレーターは本来、立ち止まって利用するもので、安全基準もこれが前提」と指摘する。

エスカレーターで歩くと接触や衝突に伴う転倒、衣類の裾が挟まって巻き込まれるなど、思わぬ事故につながる恐れがある。特に高齢者は危険が大きい。全国のJR・私鉄各社などは今夏、立ち止まって利用するよう呼びかける共同キャンペーンを実施した。右でも左でもない「両立ち」の勧めだ。

関西では大阪市営地下鉄が2010年から「歩かないで」のステッカーをエスカレーター周辺に掲示。到着列車の案内板でメッセージを流し、放送でも呼びかけている。障害者から「同伴者と並んで立てない。人が横をすり抜ける際は危険を感じる」との訴えがあったのがきっかけという。

現在、阪急電鉄のアナウンスは「手すりにつかまって黄色い線の内側にお立ちください」に変わっている。暗に歩行禁止を訴える内容だ。同社は「急いでいる人もおり、難しい問題」としたうえで、「公共の場の禁煙が徐々に浸透したように両立ちの慣習も時間をかければ広がるのでは」と話す。

右立ちの起源とされる阪急梅田駅のエスカレーターにストップウオッチを持って乗ってみた。通過時間は立ち止まった場合が37秒、流れに乗って歩くと17秒。その差20秒。この差をどうみるか。

本格的な高齢化社会が到来し、障害者が健常者と同じように街に出るノーマライゼーションの時代を迎えた。少々の時間差にこだわらず他人への気遣いを欠かさない人が増えれば、エスカレーターの慣習も変わるのかもしれない。

2016-07-01_091644有害な紫外線をさえぎる効果があるものの、一時は破壊が進んだ大気上空のオゾン層が、今世紀に入って回復傾向にあることを初めて確かめたと、米マサチューセッツ工科大のチームが1日付の米科学誌サイエンスに発表した。破壊物質のフロンを規制してオゾン層を保護する国際条約「モントリオール議定書」の効果が表れた形だ。

日本の昭和基地の観測データなどを分析した結果、南極上空でオゾン層が極端に薄くなって穴が開いたような状態になる「オゾンホール」が、2000年を境に小さくなっていた。チームを率いるスーザン・ソロモン博士は「世界が共に行動することで、地球が回復に向かうのを見ることができた」としている。
15年はオゾンホールが拡大したが、オゾン層破壊を促す火山噴火が主な原因だった。

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