太平洋で世界最大のレアアース鉱脈を発見

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2012-02-28_161303.jpg 中国が生産をほぼ独占する希土類(レアアース)が太平洋の海中に大量に埋蔵されている事実が確認された。}
 東京大学工学研究所の加藤泰浩教授チーム(地球資源学)は太平洋のハワイとフランス領タヒチ周辺の約1100万平方キロメートル一帯の海底にレアアースを含有する泥層を確認した。推定埋蔵量は900億~1000億トンに上る。これまで確認された陸地埋蔵量の1億1000万トンの約800~1000倍に達する。 
  研究チームは東京大学海洋研究所などとともにこれまで太平洋の約80カ所で採取した海底地層資料を分析した。その結果ハワイ島を含んだ太平洋中央部約880万平方キロメートルと南東部タヒチ島周辺240万平方キロメートル地域の合わせて1100万平方キロメートルの海底にレアアースが埋蔵されている事実を明らかにした。水深3500~6000メートル地点にレアアースが混ざった厚さ2~70メートルの泥の層があるという。 
 今回発見されたレアアースの濃度は400~2230ppmで、中国南部のレアアース鉱山に匹敵する規模だ。ここに埋蔵されたレアアース層にはテレビと光学ディスクに使われるテルビウム、電気自動車に使われるジスプロシウム、発光ダイオードに使うユウロピウムなどが混ざっているものと把握されている。何よりこれまで地上でレアアース採掘時に問題となっていた放射性元素のラジウムとトリウムが海底からはほとんど出ず、作業が比較的容易だという。 

  東京大学研究チームは日本メディアとのインタビューを通じ、「海底の火山爆発で噴出したゼオライト成分がレアアースを吸い込んで海底に積もったとみられる。海底の泥を汲み上げる方式でレアアースの採取が可能で、レアアースの成分も産業的利用に大きな問題がないと推定される」と明らかにした。

  海底でレアアースを採掘するには海上に浮かぶ船から長い管を下ろして泥を吸い上げた後、この泥からレアアースを分離する方法で行われる。海底で開発可能なレアアースが大量に発見されたのは今回が初めてで、本格的な開発に国際社会の関心が集中するものとみられる。

  世界のレアアース供給の90%以上を独占している中国が最近輸出を統制しながらレアアース価格が急騰している。昨年中国とレアアース輸出規制紛争を起こした日本は政府と民間企業主導でレアアース発掘と代替資源確保に注力してきた。

  公海上の資源は各国政府が独占的に開発できる領海や排他的経済水域(EEZ)とは違い人類の共同財産として規定されている。このため1994年に設立された国連国際海底機構(ISBA)の鉱山認定を受ければ開発することができる。東京大学研究チームの今回の発掘結果は4日に英国で刊行された科学専門学術誌ネイチャージオサイエンスに掲載された。

  ◆レアアース=先端産業のビタミンと呼ばれる非鉄金属鉱物。熱伝導率が高く化学的に安定しており、半導体や二次電池を利用するハイブリッド自動車のエンジンやテレビ・携帯電話・ノート型パソコンなど電子製品の材料に使われる。ランタニウム・セリウム・ネオジム・ジスプロシウムなど17種類がある。